「なんであんなに余所余所しかったんだろう…」
ハリーはお店から出ると呟くように言った。
「私がクレスメントの当主になったからよ。」
「なんだか寂しいね。」
「えぇ。当主になって色々失ったわ。でも、肩書きで態度を変えられるのは…これに限った事じゃないし、慣れてるわ。それよりも変わらないハリー達を大切にしたいって思えるから…きっとこれで良いのよ。」
ハリーはどこか寂しそうにしながらもその言葉にずっと変わらないよと微笑んでくれレンを癒してくれる。
次は本屋ににつくと、ハリーはそう言えば…と口を開く。
「レンは何を専攻したの?」
丁度選ぶ時期にレンは自宅に居たので、ハリー達はレンが何を選んだか知らなかった事に今気付いた様だった。
「魔法生物飼育学と…占い学かな。数占いと悩んだのだけれど星の方が好きだから。ルーン文字学とマグル学は学ぶ必要ないし…適当よ」
「なら、今年もレンと一緒だ」
ハリーは少し嬉しそうだったので、レンもニッコリと微笑んだ。
フローリッシュ・アンド・ブロッツという本屋に着くと、店員は既にぐったりして疲れきっている様子だった。
「えっと…」
レンは店内を見渡し”カッサンドラ・バブラッキーの『未来の霧を晴らす』”と”中級変身術”そして”三年生用の基本呪文集”を棚から取り、店員にソレを差し出す。
「あと、怪物的な怪物の本を頂きたいのだけど…」
レンがそう言えば店員はぐったりした表情を見せ、厚手の手袋をはめて、店内に新しく追加された檻の方に近付き、何度か手を噛まれながらも一冊の本を持って来てくれた。
「背を撫でれば大人しくなりますよ。」
レンは店員にそうこっそりと教えると、店員は瞳を丸くし驚いてからお礼を言い「この本にはうんざりしてたんだけど、助かったよ。」というもんだからレンは小さく笑ってしまう。
それらの代金を済ませると、レンはソレを杖で叩き消した。
消したというよりも、自分の自室に送ったのだ。