「なんで僕達に向かって舌打ちするんだ?」
「あら、なんでもないわよ。」
ロンの苛々したような声に、ハーマイオニーは取り澄ましたように返事を返すと、整理し終えた鞄を背負い直しゆっくりと歩き始める。
「僕はルーピンの病気をなんだろう。って心配していただけじゃないか!」
「あら、そんなの判りきってる事じゃない。」
ハーマイオニーのその言葉にレンは嫌な予感がした。
ハーマイオニーは鋭く賢い優秀な魔女だ。
例えば…スネイプが宿題に出した時にリーマスの事に気付いたのかもしれない。
結局ハーマイオニーは、ロン達にはその後何も言わずにその場を去って行ったのを見て、レンは安心と不安な複雑な感情を抱いた。
夕食後、レンはハーマイオニーが気になりつつもリーマスの元へと向かう。
「失礼します。」
ハリーが来ているのかと思い、そう言いながら中に入れば中にはリーマスの姿のみだった。
「ハリーは?」
「今日は来ていないよ。さぁ、適当に座って。今、紅茶を淹れよう。」
リーマスはレンが座るのを確認してから、杖を一振りして直ぐに紅茶を用意してくれる。
丁寧にも茶菓子付きだ。
ゆっくりとそれを頂いていれば、少し落ち着いてからリーマスが口を開いた。
「今度の木曜に、ハリーに守護霊の魔法(パトローナス)を教えようと思うんだ。」
「吸魂鬼に襲われても大丈夫な様に?」
守護霊の魔法…パトローナスとは、自分のプラスエネルギー…つまりは幸福な気持ちを力に変えて自分を守護するモノを出現させる魔法…始めは銀色の雲の様な煙の様なものを出すものが殆どで、ちゃんとしたパトローナスが出せる様になれば、それぞれの形として出現してくれ、その形は人によって異なる。
リーマスがホグワーツ特急の中で出現させた銀色のものは、多分この魔法だろう…。
パトローナスは自分と吸魂鬼の間の盾としては最適なのだという。