「あぁ、ハリーの申し出でね。本物の吸魂鬼を使う訳にもいかないし…何かアイディアはないかな?」
リーマスは笑みを浮かべながらレンに言えば、レンは暫く考えるような仕草をしながら黙った。
「ボガートを使ったら?ハリーが吸魂鬼の対応策を教えてと頼んだという事なら、それなりに恐怖は感じている筈だから…恐怖の対象として考えていればボガートは吸魂鬼に変身してくれるはず…だとは思うんだけれど…」
レンは呟く様にそう言えば、リーマスはにっこりと微笑み「ナイスアイディアだね」と誉めてくれた。
それから暫く、リーマスは何かを考えているかの様に黙っていたので、レンも何も言わない。
きっとボガートの居そうな場所を考えているのか…などと考えてはいたが、だんだんその考えは間違いだと思った。
「他に何か言いたい事があるんでしょう?…きっとハリーの個人授業のアイディアを求めるのは建前で…。」
レンは少し苦笑を浮かべてそう言えば、リーマスは一度驚いた様な表情を見せてから同じ様に苦笑を浮かべた。
「キミは、シリウス・ブラックの無実を信じているんだってね。」
「そうよ。」
レンは何の躊躇いも無くはっきりと自分にそう言った事にリーマスが少しだけ驚いている様だった。
「何か危ない事をしていないだろうね?…仮にもブラックは凶悪な殺人鬼で…」
「リーマスの口からそんな事を聞きたくない!」
レンはリーマスの言葉を途中で遮るように少し大きな声をあげて、机を叩くようにして勢いよく立ち上がる。
「どうしてそんな事を言うの?親友なんでしょう?…そんなのシリウスが可哀想!」
「レン…」
「親友が親友を裏切る筈がないって信じてあげて!シリウスは母の死を泣いてくれた…「私を恨んでいただろう?」って声を殺して肩を震わせていたわ…そんな1人の人の死を嘆いてくれる人が大切な親友を裏切ってマグルを大量に殺した殺人鬼な訳がない!…母さんだって言ってた…シリウスは自分より力のある者にヘコヘコする腑抜けじゃ無いって。親友を裏切るくらいなら死を選ぶ人だって…。」
レンはそのまま大きな声で言えば、大粒の涙をこぼしていた。