「大丈夫。クルックシャンクスはとても賢い子よ。人の言葉をちゃんと理解しているし、食べていないって信じたいのなら主人のハーマイオニーがしっかりとしないと。クルックシャンクスが犯人じゃないって証拠を探して彼らにも信じてもらいましょう?」
レンがそこまで言えば、ハーマイオニーは嬉しそうに有難うと言い、やっと落ち着きを取り戻した様だった。
「それにしてもどうしてスキャバーズなのかしら…。」
「え?」
「人の言葉が理解している様なクルックシャンクスが、あんなやせ細って食べても美味しくなさそうな鼠1匹に拘り続ける理由よ。私が猫ならもっと太って美味しそうなのを狙うし、スキャバーズならトレバーの方が美味しそうだと思うもの…。」
「確かにそうよね。鼠ならこの城に沢山いるだろうし、もっと太った鼠を狙っても良い筈だわ。」
「えぇ。なのにスキャバーズだけに拘り続ける…その理由が何処かにある筈よ。」
「鼠が好物で側にいるから、って理由じゃない?」
「近くにいる、そんな理由だけではない筈だわ。クルックシャンクスは森にも出入りしているし、外から蜘蛛だって捕まえて来たでしょう?」
クルックシャンクスが興味を示したのはスキャバーズ1匹…。
どんなに追い払われようとも、狙った獲物は逃がさない…そんな様子でスキャバーズを必要以上に追い掛け回すのだ。
まるで親の敵、とでも言いたげな執念みたいなものを感じる。
他の鼠よりも近くに居る鼠が相当気になるのだろうか?…それとも他の理由があるのだろうか…。
どう見ても他の鼠より今の痩せたスキャバーズの方が美味しそうには到底思えない。
クルックシャンクスはとても賢い猫だ。
レンが行きたい場所、したいことを理解している様に振舞う事が多く見る事が出来た。
レンはそこまで考えると、ちょっと待てよ…?と引っかかるところを見つける。
そう、普通の賢い猫ではそこまでいかないだろう…。確かその様な生物が居たような…。
次の日にハーマイオニーが起きるより早く図書室に行くとその謎は簡単に解けた。