「ハーマイオニーは本当に自分が悪いって思っていないと思うの?大切な仲間の家族を自分の家族が殺してしまったかもしれないのよ?自分が悪いって思っていなければ、泣いたりしないわ。出来るだけクルックシャンクスを寝室に閉じ込めているのも私は知っている。けれど1人部屋じゃないの。人が出入りすればその隙を狙って外に出るわ…猫だもの。」
「それなら」
「ずっと篭に閉じ込めておけば良いのかもしれない。それはスキャバーズにだって言える事だし、ペットにとってどれだけ辛いものなのか少しは考えてあげても良いんじゃないかしら。スキャバーズもロンにとっては大切なペットで家族だわ。それを奪われた悲しみも大きいと思う。けれどこのままずっとこの状態を続けていくつもり?少しはスキャバーズが生きているって事も信じてあげて…もう少しだけで良いからハーマイオニーの事を考えてあげて?…ペットや物よりも大切な友達じゃなかったの?」
レンがそこまで言えばロンは黙ってしまった。
2人とも謝るきっかけを探しているだけなのかもしれない。
「なら、キミだって…ハリーと仲直りするべきじゃないか。」
ロンは先程、ハーマイオニーが座っていた椅子に座ってそう言えば、今度はレンが黙る番だった。
レンとハリーは一瞬視線を合わせ気不味い様な空気になればどちらからともなく視線を逸らす。
「私にとって彼も貴方達も失いたく無い大切な人よ。本当はね、少し気持ちが揺らいでいたわ…貴方達を失ってまで彼を信じるべきなのかどうか…でも、ダンブルドアと話してみて、私は私の信じるものを信じて良いんだってはっきり判ったわ。…ハリー、もし彼が本当に無実なら、ダーズリーの家にいなくて良いのよ?優秀でお兄さんみたいな彼と一緒に暮らして、彼からご両親の楽しい思い出だって聞かせてもらえる。…ホグワーツ以外でも楽しいって思える家がハリーにできる…その可能性も捨てたく無いの。ハリーの為にも彼の為にもジェームズさんの為にも母の為にも…私は彼の無実を証明してみせる。…証拠が集まったら…その時はちゃんと話を聞いてあげて欲しい。」
レンがそう言えばハリーも少し悲しそうな表情を浮かべた。
だが直ぐに他のメンバーに連れられる様にロンもハリーも人の中へと姿を消していった。
この宴会騒ぎが静まったのは1時過ぎだった。
マクゴナガルがそろそろ寝なさいと注意しに来たのだ。
マクゴナガルが談話室を出て、寮生徒も寝室に帰り、談話室が静まり返った頃、レンは暖炉の前のソファに移動しじっと暖炉を見つめていた。
信じたい信じ続けると決めたはずなのに、ハリーの顔を見れば、一緒に笑っていたあの時に戻りたいと、隣に立って一緒に笑っていたいと思ってしまうし、シリウスを信じるのも止められない。
両方を選ぶ為には…一体どうしたら良いのだろうか…シリウスの無実を証明する為には、何をすれば良いのだろうか…。