「止めてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
急に叫び声が聞こえてレンは飛び上がった。
どうやら考えながら其処で転寝していたらしく、瞳を開けばそこに丁度今逃げようとしているシリウスの姿が視界に入り、彼と視線が合ってしまう。
「シリウス?」
「あの鼠は何処だ!ウィーズリーの所にいた鼠だ!」
レンの肩を強く掴み、焦った様にそう言うシリウスにレンは小さく首を傾げる。
「ロンのベッドの上に血の跡とクルックシャンクスの毛だけを残して消えたわ。ロンはクルックシャンクスが食べたと思っているみたいだけれど…」
「あの時と同じ手を使ったのか!」
シリウスは「クソッ!」と苛立った様にそう言えば、丁度女子寮の方から生徒が降りてきてレンとシリウスの姿を捉えれば大きな悲鳴を上げる。
彼女にはシリウスがレンを襲っていると見えたのだろう。
「取り敢えず今は逃げて。絶対に居場所を言ったりしないから…お願い。」
レンは小声でそう呟けばシリウスは急いで談話室の外へと姿を消した。
「何事ですか!確かに私もグリフィンドールが勝ってくれて嬉しいと思っています。ですがこれは騒ぎすぎです!」
マクゴナガルが肖像画の穴を通り抜けて談話室へと戻ってくると辺りを一喝した。
あの悲鳴を上げた女子以外にも女子は男子寮に上っていき、叫び声の元を確かめに行った人もいるので更に騒ぎ声が聞こえていたのだ。
パーシーにつれられてロンも談話室に下りてくれば、パーシーは申し訳なさそうに「弟が悪夢に襲われたんです」とマクゴナガルに言ったがロンが違うと恐怖の表情で叫んでいる。
「シリウス・ブラックです!奴が僕のベッドのカーテンをナイフで裂いたんだ!」
「冗談はおよしなさい。どうやって肖像画を越えてきたと言うのです?」
「私も…シリウス・ブラックがナイフを持って彼女を襲っているところを見ました。」
先程悲鳴を上げた子が申し訳なさそうにマクゴナガルに言えば、マクゴナガルの眉間に皺が寄る。
余計な事を言わないで欲しいとレンは思い、何も言わずに俯いた。
「嘘だと思うならあの人に聞いてください!」
ロンは震える手で肖像画の穴を指差すと、マクゴナガルは渋々談話室を出てカドガン卿の絵に聞きに行けば、皆それに耳を澄ましているようだった。