「カドガン卿、今し方、グリフィンドール塔に男を1人通しましたか?」
「通しましたぞ、ご夫人。」
「と、通した?…合言葉は…?」
「持っておりましたぞ!小さな紙切れに書かれていた1週間分の合言葉を読み上げておりました!」
マクゴナガルが蝋の様な血の気の引いた顔で「誰ですか?今週の合言葉を書き出してその辺に放って置いた底抜けの愚か者は誰です?」と震える声で言えば、同じ様に震えて血の気の引いたネビルの手が恐る恐る上がった。
その夜、グリフィンドール塔では誰も眠れなかった。
再び城が捜索されているのを皆知っているからだ。
全員が談話室でまんじりともせずに待っていれば、マクゴナガルが明け方にやってきてシリウスはまたも逃げ遂せたと告げた。
次の日、警戒が厳しくなっているのが嫌でも判った。
フリットウィック先生はドアというドアにシリウスの写真を貼り、フィルチは穴を塞いで歩いた。
カドガン卿はクビになって、トロールの護衛つきという条件で「太ったレディ」は元のグリフィンドールの扉に戻ってきた為、いつも其処にはトロールが2体くらい警備し、互いに棍棒の長さを競ったりしている様だった。
ハリーは隻眼の魔女の像が塞がれていない事が気がかりだった様だし、ロンはハリーより自分に注目が集まるという今までにない体験を楽しんでいるようにも思えた。
レンにも聞く人は多々いたが、レン自身が何も話さない為に更にロンに注目が集まっている。