第3話
それから数日後、リーマスは「少しの間、帰れないが心配しないで大丈夫だから。」と言い出かけたっきり帰ってきてはおらず、今日ならば夜遅くに見回りに出かけても心配かける事はないと出掛けたのだが、収穫もなく戻ってきた時の事。
視線を感じレンは不思議に思い辺りを見渡すと、木の陰から此方をじっと見つめる大きく黒い犬の姿があった。
「…あの時のワンちゃん?」
初めて見た時はハリーと居た時だ…あの場所からこの森までは結構な距離がある。
あの時と同じ犬だと思う事自体間違いなのかもしれないが、どうしても別の犬には思えなかったのだ。
「おいで。…大丈夫、私は何もしないわ。」
そういうも犬は其処から動こうとはしない。
レンは杖を一振りすると大きなクッションが詰められた大きな籠と毛布を窓辺に置いた。
「夜の森は危険よ。今食べ物とか用意するから、少し休んでいって?」
この森を出入りする事が出来るのだ、普通の犬ではないのは判っていたが、その痩せこけた姿にレンは放っておけなくなってしまったのだ。
「犬って何を食べたらいけないんだったかしら…何でも食べるのかな…?」そう独り言を零しながら立ち上がり食べ物を探していると、その犬はゆっくりと近付き窓辺まで来て辺りを警戒している様に耳を動かし辺りを見渡している。
「此処には私しか居ないわ。誰もキミを襲ったりしないから安心して良いわよ」
レンが声をかける度にその鋭い両目はレンの姿を捉える。