「えぇ。その子はねクルックシャンクスっていう名前で、クルックシャンクスは初めてロンに会った時から、ロンの鼠を追いかけ回したわ。その鼠はとっても珍しくてね、ウィーズリー家に来た時から指が一本欠けていて12年位生きているの。そんな”変な鼠”をクルックシャンクスは追いかけ続けている。…そしてスキャバーズはある日突然姿を消したわ。ロンのベッドの上に血痕とクルックシャンクスの物と思われるオレンジ色の毛を残してね。どこかで聞いた事のある話だと思わない?でも全て証拠のない、ただの私の推測よ。」
その言葉にリーマスはレンが言いたい事が判ったのだろう、リーマスは信じ難いという表情を浮かべて驚いて言葉が出ない様子だった。
「…ただの偶然が重なっただけだとしても、ロンとハーマイオニーが鼠の事で喧嘩しっぱなしだったから…見つけられたら2人は仲直りもできるし。もし私の考えが確かだったら、ハリーにとってもシリウスにとっても喜ばしい方へ進むし、リーマスにも親友が帰ってくるわ。だからリーマスにどれだけ止められても、シリウスにどれだけ反対されていても、私は鼠を探すわ。」
「…レン、私はその万が一を考えても保護者としてレンを守るべく止め続ける。だが、もしその手を掻い潜って鼠を見つけたその時は、私かシリウス…それかダンブルドアに知らせるんだ。…いいね?無闇矢鱈に突っ込んではいけない。」
「そうできる状況だったら、なるべくそうするわ。」
レンはそういい席を立つと、そろそろ寮に戻るとニッコリと微笑み部屋を後にした。
地図でスキャバーズを探す事は出来なかったけれど、シリウスの無実が確かなものと思えるだけの情報は得れた。
今はそれだけでも十分だ。鼠は自力で探すしかない。

談話室に戻れば、いつもの席にハリーとロン、そしてハーマイオニーの姿があった。
彼らはいつものように何かを話し、そこには教科書やらそれ以外の本やらが散乱している。
「「やぁ姫君、何処に出かけていたんだい?」」
「ナイト様方、ごきげんよう」
レンが初めてそう冗談を返した事で声をかけてきた双子は瞳を丸くして驚いたと思えば直ぐに笑い、レンを間に挟み肩を組んだ。
「で、何処に出かけてたんだ?」
「今や学校内は警戒が激しくて簡単には外に出掛けられないぜ?」
ジョージに続いてフレッドがそう言えば、レンはクスクスと笑い、そんなに気になるの?と返せば双子は頷いて見せた。