自分がスリザリンに行っても、自分を信じてくれた友と呼べる人達は嫌ったりはしないだろうか…?
「本当に…私がスリザリンに行きルシウスの思う通りに従えばヒッポグリフを許してくれるの?」
「従ってくださいなどとは恐れ多い…私めは気高き姫君が、汚らわしい者達に毒されていくのを見ていられないのです。常に心を痛めております。」
レンは俯いたまま小さく息を吐き気持ちを落ち着かせる。
自分の事よりもまずはバックビークを…罪なき命を救う事を優先すべきだ。自分の事は後でどうにでもなる…。
「判っ「駄目だ!」」
レンが返事をし終える前に、それを遮るように大きな声が聞こえ、その声に聞き覚えがあり振り向けば、そこには息を切らして真直ぐにルシウスを睨んでいるハリーの姿があった。
「おや、これはポッター殿。盗み聞きとは良いご趣味をお持ちですな。」
ルシウスは嫌味っぽくハリーにそう言えばハリーはそれに返事を返す訳でもなく、再度「駄目だよ。」とレンにはっきりと伝える。
「貴方にそれを言う権利が御座いますかな?」
「マルフォイさん。確かに僕にはレンを止める権利はありません。けど貴方の思う通りになればレンはまた笑わなくなる。貴方の好きな様にはさせない。」
「己は姫君を愚弄し避け続け、己の言う事は聞けと仰る。…我侭に振り回される者の気持ちも考えていただきたいものですな。私共と居ると笑わなくなる?これは異な事を…今まで姫君から笑顔を奪っているのはポッター殿ではありませんかな?」
「貴方も自分の思い通りにレンを動かしたいだけじゃないですか。」
「何を仰るかと思えば…彼女が傷つかない様、助言をさせていただいているだけですが?」
ルシウスは苦笑をしハリーを睨んでいたと思えば直ぐに視線を逸らしレンの肩に手を置き、唇を耳元へと寄せれば言葉を呟きその場を後にした。
「レン…その…ごめん。話を盗み聞きしてて…。」
「ううん。良いの…聞かれて悪い事じゃないから。」
「マルフォイの言葉なんか信じちゃ駄目だよ。レンがいい様に利用されるだけだもの。」
ハリーはレンの手を取り寮へ向かいながらそう言えば、レンは少し苦笑を浮かべる。