「ねぇクルックシャンクス。お互いにスキャバーズが見つからないし自由に出歩けないしでモヤモヤするわね…。」
誰もいない寝室でレンは、寝室に閉じ込められているクルックシャンクスを膝の上に乗せて撫でてやりながらそう問えばクルックシャンクスは不思議そうにレンを見つめている。
レンはクルックシャンクスを見つめ、何かを思ったのか羊皮紙とペンを用意し、文字を綴ればそれを小さく折り畳んでいく。
「クルックシャンクス、これをあの人に届けられる?」
レンがそう言えばクルックシャンクスは小さく鳴き声をあげる。
レンはそれに感謝の意を伝え、夜中、みんなが寝静まった頃、こっそりとクルックシャンクスを寝室からだし、また戻って来れるように少しだけ扉を開けておいた。
『パッドフット様 鼠は探していますが見つかりません。ですが諦めず機会を伺いながら探し続けるつもりです。だから無茶だけはしないでください。真相は何となくだけれど解りました。私も力にならせてください。…母の遺志でもあるので止めても利きません、悪しからず。 レン』
翌日目を覚ませば、レンのベッドの上で眠るクルックシャンクスの姿があった。
枕元には何かの紙に『すまない。無理だけはしないでくれ』とだけ書かれた紙が置いてありレンは思わず笑みが零れてしまった。
ニーズルの血を引くこのクルックシャンクスに信じてもらえ、手助けをしてもらえている。
レンはその事に小さくお礼を言い、隣で眠るクルックシャンクスの頭を優しく撫でた。

今日はグリフィンドールVSスリザリンの試合があるからか、生徒達がとても興奮している様子だった。
朝食の時、選手達が大広間へやってくるとスリザリン以外のテーブルから割れるような拍手で出迎えていた。
それだけグリフィンドールの勝利に期待されているのだろう。
時間になり生徒達は次々にグラウンドに向かい始める。
レンはこの生徒が居なくなるこの時を、スキャバーズを探す絶好のチャンスだと思っていた…が、それほど甘くはなかった。
今度こそはと、ハーマイオニーとロンがレンをがっしりと捕まえグランドへと引き連れていったからだ。
「はい、これを持って。」
ロンはそういうとグリフィンドールのシンボル、ライオンを描いた真紅の大きな旗を持たせると、ハーマイオニーがレンの胸に真紅のバラを飾りつける。
「これでいなくなれば直ぐにばれるわ。今日はとても大切な日なんですもの。」
レンはそれに苦笑を浮かべながら、言われた通りに旗を持ち試合を見る事にした。