第32話
「やぁハリー。それにミス・クレスメント。顔色が優れないようだが大丈夫かね?」
正面玄関の階段のてっぺんにコーネリウス・ファッジの姿があり、近付いてくるレン達の姿を見れば嬉しそうにそう声をかけてきた。
「これは魔法省大臣…ご無沙汰しております。」
レンはそう言うと礼儀正しく挨拶を交わす。
ハリーもそれに続きファッジと挨拶を交わせば、ファッジは機嫌が良い様子だ。
「試験を受けてきたのかね?そろそろ試験も全部終わりかな?」
「はい。」
ハリーは短くそう答えると、ロンとハーマイオニーは魔法省大臣と話す程の仲でないので気を遣ったのだろう、後ろの方で何となくウロウロしていた。
「ミス・クレスメント、休みに入ったら食事でも一緒にしないかね?私はキミを気に入っている。是非一度ゆっくり話がしたいと思っていたのだよ。」
「えぇ、大臣のご予定が空いている時でしたら何時でもご一緒させていただきますわ。」
社交辞令的に大臣とお食事が出来るなんて光栄な事ですわ。と付け加えて言えば、ファッジは満足気に頷いた。
「気高きあのクレスメントと食事が出来る私の方が光栄な事だがね。クレスメントは魔法族にとって王族とも思っている者がいるほど長く続く旧家で位が高い。皆、貴女と何か関わりが持ちたいと考えるものさ」
「褒めすぎですわ。当主となってまだ日も浅く、まだ年も若く未熟です。皆様の助言があってこそ成り立っていると思います。」
レンの言葉にファッジは「ご謙遜を」とニッコリ微笑みながら言った。
どうやら気に言っているという言葉は嘘ではないらしく、良い意味でレンを評価してくれているらしい。
「ミス・クレスメントと話しも出来、天気も良いというのに…」
ファッジはふと何かを思い出したのか深い溜息をつけばハリーは「どうかなさったんですか?」と声を掛けた。
「ハリー、あまり嬉しくないお役目で来たんだがね。危険生物処理委員会が私に凶暴なヒッポグリフの処刑に立ち会ってほしいというんだ。ブラック事件の状況を調べるのにホグワーツに来る必要もあったので、ついでに立ち会ってくれというわけだ。」
「もう控訴裁判は終わったという事ですか?」
ロンが思わす進み出て口を挟んだ。
「いやいや、今日の午後の予定だがね。」
ファッジは興味深げにロンを見ている。