「闇です…真っ暗な闇の中に…墓場が見えます」
暗闇の中を進むように墓場が見え、それをそのまま伝えれば、トレローニーは少し興奮気味に身を乗り出して続きを促す。
「大きな鍋がひとつその場にあって、黒いものを噴出してる…」
「何か闇の魔術を行っているのね…それから?」
「それから…」
その水晶はそこまで映すとまた真っ黒の闇に戻ってしまう。
それに溜息をつけば、だんだんとそれが人の顔へと変わっていきレンは息を呑んだ。
“甦る”
そう頭の中で声がした気がする。
甦るというのだろうか…あの人が…
それともこれは暑さと香りが見せた幻なのだろうか…
「どうなさいまして?」
「いえ……黒いものは次第と人の顔に形を変え、私は帰ってくると伝えば消えました」
「よろしいですわ。これでお終いにしましょう…この内容は誰かに話してはいけませんよ?」
「判っております。」
試験をしてくれた事にお礼を言い頭を下げるとレンは教室を後にした。
「どうだった?」
螺旋階段に腰掛け自分の番を待っているロンとハリーが同時にレンにそう声を掛けてくる。
「あー…暑さと香りが最高潮だったわ。意識がどこかに飛んでいきそうな程」
レンがそう言えば、ハリーはあれが苦手なのだろう「うげ」と声を漏らしレンは笑ってしまった。
「先に談話室で待ってて。僕らも終わったら直ぐに行くから」
ハリーがそう言い、レンは頷くと談話室へと向かった。