日没後は外に出る事すら許されない…レンはこの空いている時間をいい機会だと思い、一度談話室へ戻り荷物を置いてくるとまた外でスキャバーズを探しに行こうと談話室を出ようとした時だった。
「どこへ行くの?」
そう声を掛けてきたのはハーマイオニーだった。
丁度戻ってきたところで、元気がないような表情だった。
「ちょっと調べ物を…」
「私、貴女と話したい事があるの…」
ハーマイオニーの深刻そうな表情に、レンは小さく頷いた。
今の談話室は無人状態だった。
それというのも皆、試験が終わった開放感で外へと繰り出し夕食時になれば、そのまま大広間へと向かうつもりだろう。
レン達はそのまま談話室の隅の席に座れば、ハーマイオニーは何から話すべきかと考えているようだった。
「お話ってどうしたの?」
「あの…例えばの話よ?…その…ルーピン先生が人狼だったら、貴女はどうする?」
その質問に、レンはハーマイオニーがやっぱり気付いていたのだと思った。
それをどうしたら良いのか自分なりに悩んでいたのかもしれない。
「何も変わらないわ。」
「人狼よ?」
「それがどうかしたの?例え人狼だろうと吸血鬼だろうと巨人だったとしても、私が慕っている彼である事に違いないわ。」
その回答にハーマイオニーは驚いているようで、どこかホッとしている様子だった。
「肩書きだけで人を判断する事ってとても失礼で愚かで恥ずかしい事だと私は思っているの。巨人でだって人を傷付けるのが好きな人もいれば、平和を愛する人だっている。人狼だって同じ事だわ。そんなのちょっとした問題で、その人の中身がとっても大切よ。私知ってるわ…信じて欲しいのに信じてもらえない苦しみも、信じている人を騙したくないのに騙し続ける苦しみも、けれど本当の事を伝えて去られてしまうかもしれない恐怖も…。」
レンが苦笑を浮かべてそういえば、ハーマイオニーは少しだけ悲しそうな表情をして頷いた。