「行かなきゃ。ハグリッドが一人で死刑執行人を待つなんてそんな事させられないよ。」
ハリーは即座にそう言ったが「けど日没だ。」とロンが絶望的だと表情が訴えていた。
今はシリウスを警戒し、厳しい警戒態勢を守らなければならない。
日没に城の外に出るなどは決して許されない事だろう。
「透明マントさえあればなぁ…。」
「「どこにあるの?」」
レンとハーマイオニーの声が同時に尋ね、ハリーは「あの抜け道の所」とレンに言った。
レンがそれを聞いて「待ってて」と一言残して談話室を飛び出し、そのまま走っていけば「レン、待って!」とハーマイオニーも後を追いかけてきていた。
「私も行くわ。」
「あら、お珍しい…あのハーマイオニーが校則を破る手伝いをするなんて。」
レンがそう言えば、ハーマイオニーはどこか得意げに微笑んだ。
「私が取りに行きたいの。レンは見張りを頼んでも良い?」
「判ったわ。」
走りながらそう言えば、急いで隻眼の魔女の像の所へ行き、抜け道の開き方をハーマイオニーに教えた。
暫く後、ハーマイオニーは見事マントを回収して出てきて微笑めば、今度は慎重に談話室へと戻ろうとした。
「こんな所で何をしているのかね?」
丁度スネイプがレン達の背後から声をかけてきて、2人の心臓は飛び跳ねた。
「テストが終わったので、適当に散歩をしてきた帰りです。」
レンがそう答えれば、スネイプは怪しそうに2人を見つめた。
「談話室に戻って皆と食事をしようと思うんですが、行ってもよろしいですか?」
無言で睨み続けるスネイプにレンは「お腹が空いちゃって」と苦笑しながら言えば、スネイプは渋々了承をしレンとハーマイオニーはスネイプに挨拶をしてからその場を去った。
ゆっくり歩いているつもりが段々と早足になり、スネイプが見えない位置まで来ればまた走り、2人は笑い声を上げながら談話室に戻ってくる。
ハーマイオニーは息を整えれば、大事そうに畳んだ銀色の透明マントをローブの下から取り出し、それをハリーに渡す。
「ハーマイオニー、最近どうかしてるんじゃないか?マルフォイはひっぱたくわ、トレローニー先生のクラスは飛び出すわ…。」
ロンは度肝を抜かれた様に言えば、ハーマイオニーは少しだけ得意げな顔をした。