「大丈夫?酷い怪我…」
レンはまずは腕を血の力を使い癒してから、その辺の板を?ぎ取り、添え木代わりにロンの足の側に置けば「フェルーラ」と呪文を唱えながら杖を一振りして包帯でそれを包む。
クレスメントの力を使い、足の治療に入りながらもレンは溜息をついて犬が向かった先を確認した。
すると犬は段々と人の姿へと変わって行き、レンは驚きのあまり悲鳴をあげ、思わず魔法を続けるの止め、思わず二度見してしまう。
「…え?それじゃあの犬はシリウスだったの?」
レンがそう声をあげれば、シリウスは小さく頷いた。
「レン…どういう事なんだ?僕達を裏切ってたのか?」
「違うわ。確かにシリウスには何度か会っていたけれど「キミもアイツの仲間だったんだ!ハグリッドの小屋の前で別れたのも、今ならハリーがハグリッドの小屋にいるって教えに行ってた!…信じてたのに…近寄るな、この裏切り者!!」」
ロンはレンの言葉を遮り一気にそう言えば、レンは立ち上がりシリウスの側へと歩いていく。
「違う。彼女は…」
「何が違うって言うんだ!!」
「良いのシリウス…大丈夫よ。」
レンのその言葉に、シリウスはレンを複雑そうな表情で見つめ、レンは無理矢理微笑んだ。
シリウスは、動けないロンから杖を取り上げ、扉の方に身を潜め、レンはその部屋にあった天蓋のベッドの上に腰掛ける。
「ロン、私がハグリッドの小屋の前で別れたのは、かぼちゃ畑に潜んでいたからよ。バックビークを救おうと思ったの。」
「嘘だね。バックビークは処刑された!」
「首が落ちる所を見たの?」
「…それは違うけど、かぼちゃ畑であの鎌を振り下ろすところは見た。」
「それなら、その前にバックビークはちゃんと救われてる筈よ。ハグリッドに聞いてごらんなさいな。」
「どうやって聞くんだよ!『やぁハグリッド、さっきバックビークが処刑されなかったかい?』言える訳ないじゃないか!それにキミが此処に居た理由の説明がつかない!」
「…ダメね。根っから疑いきってる貴方に何を言っても無駄な様だわ。例え真実を言っても、貴方は信じもしないし、受け入れようともしない。」
「あぁ。レンの言う言葉が真実だとは思えないからな。僕はハリーを守る。」
「貴方の側にあるのは鼠だけ。脚も折れて手も怪我してる。その状態じゃドラコにだって勝てないわ。…もう少し冷静になって考えて。なぜ犬のシリウスがハリーに噛みつかないで貴方に噛み付いて引きずって来たか…。」
「間違えたんだろ。それか人質だ。」
「私は間違えてなどいない。それほど愚かではない。」
「間違えるにしては背丈も髪色も違うわね。それに寝室でカーテンを引き裂いたのも貴方のベッドだったわ。私はシリウスが動くまで何もしないから、ゆっくり考えたら良いわ。」
それから時々ロンが痛みで声を漏らす以外は、沈黙状態が続いた。