ロンは恐怖で顔色が悪く、心なしか震えている様にも思える。
すると間も無くクルックシャンクスが入ってきてレンの膝に飛び乗るとゴロゴロと喉を鳴らし、それに続くようにハーマイオニーとハリーが姿を現す。
レンは自分に喉を鳴らしてくれたクルックシャンクスを優しく微笑んで見つめ、顎を撫でてやれば、クルックシャンクスの瞳が気持ち良さそうにとろんとしていた。
「ロン!大丈夫?」
ハリー達はレンやシリウスには気付かずにロンの元へと駆け寄ればロンの無事を確認していた。
「犬は何処?」
「犬じゃない…ハリー、罠だ。アイツが犬なんだ…あいつはアニメーガス、動物もどきなんだ。」
シリウスは扉を閉めれば、ハリーとハーマイオニーの瞳がシリウスを捉えその後レンの姿を捉えた。
「レンは裏切り者なんだ。ずっとアイツと繋がってたんだ!流石父親が父親なだけあるよな…僕達はずっと騙されてた!」
「騙してなんかいないわ。言ったでしょう?私はシリウスが無実だと信じているし、事実は世間に知られているものとは違うって。それに死んだってハリーを殺す手助けなんかしないわよ。そんな手助けしてるなら、一昨年も去年もとっくにハリーを死なせてるわ。夏の休暇の時は2人っきりの時もあったし、殺す機会なんていくらでもあったもの。」
レンの声がやけに冷たく響いたが、ロンの言葉に…これからハリーやハーマイオニーに言われるであろう言葉を想像すれば心がとても痛かった。
「エクスペリアームス!」
シリウスはロンの杖でハリーとハーマイオニーに武装解除の呪文を唱えれば、2人から杖が飛び、それはシリウスの手の中へと収まる。
「キミなら友を助けに来ると思った。キミの父親も私の為にそうしたに違いない。キミは勇敢だ…先生の助けを求めなかった。有難い…その方がずっと事は楽だ。」
シリウスは真直ぐにハリーを見据え、一歩ハリーの方へと近付けばハリーの表情は怒りに満ちていた。