第34話
今にもシリウスに襲い掛かろうとした時、それをハーマイオニーが制する。
「ハリー駄目よ。」
「ハリーを殺したいなら、僕達も殺す事になるぞ!」
激しい口調でロンはそう言ったが、立ち上がろうとした事で、ますます血の気を失い喋りながら僅かによろめいた。
「座っていろ。足の怪我が余計に酷くなる。」
「聞こえなかったのか?僕達3人を殺さなきゃならないんだぞ?」
今度は弱々しくそう言いながら、ロンはハリーの肩を支えにして立ち上がった。
「今夜はただ1人を殺す。」
「何故なんだ?」
「この前はそんな事を気にしてなかっただろう?ペティグリューを殺る為に沢山のマグルを無残に殺した。どうした?アズカバンで骨抜きになったのか?」
「シリウス…ちゃんと話さなきゃ判ってもらえないわ。ハリー達は貴方がハリーを殺しに来たのだと信じているの。」
「レン、キミだって言っただろう。根っから疑いきってる者に何を言っても通じない。やり遂げた後で後で話したって変わらない。それが証拠になるだろう。」
シリウスはそう小さく呟けば、ハリーの瞳はレンを捉える。
その瞳からは怒りや憎しみの色が消え去る事はなく、レンの心をきつく締め上げていた。
「レンを信じると思った僕が間違いだった。キミが裏切るなんてありえないって、父親と同じ様になるなんてあり得ないって信じてたのに!コイツもレンも、僕の父さんと母さんを殺したんだ!!」
ハリーはそう怒鳴るとシリウスに飛び掛り、シリウスの手首を掴めば捻って杖先を逸らせ、もう一方の手の拳で横顔を殴りつけて、2人は仰向けに倒れて壁にぶつかった。
レンは手で口を押さえ自分が悲鳴を上げそうになったのを慌てて飲み込んだが、代わりにハーマイオニーの悲鳴とロンの喚き声が響く。
ハリーは皆の声やシリウスの抵抗も気にもせずに無我夢中でシリウスを殴りつけるが、シリウスは自由な方の手でハリーの喉を捕え締め付けていく。
「やめて!やめるのよ!」
2人の間に無理矢理入り込み、そこの間に小さな結界を張ればそれは風船のように膨れ、2人の身を無理矢理はがし、ハリーの前にはロンが立ち、シリウスは杖を落として壁に凭れ掛かり息を乱している。
レンは急いでシリウスの元に駆け寄ろうとすれば、ハーマイオニーが立ちはだかった。