「信じてたわ…貴女をずっと。」
「有難う。でもハーマイオニー、それは信じていたフリをしていただけよ。貴女達の心の奥底には疑念があった…だから”此処に居た”ただそれだけで私を疑い、私達の話をまともに聞こうとしない。…きっとハリーもそうなんでしょうね…心の奥底には、あの人の子供だから…そういう思いがあったんでしょうね…。」
レンは切なげにそういうと、ハーマイオニーはその表情を見ては演技に思えなかったのだろう、瞳を潤ませて口を手で押さえてしまう。
「…私が過去一度だってハリーを攻撃しようとした?マグルの学校に通ってる時からハリーの側にいたのよ?殺す機会はいくらでもあったし、シリウスの事で態々対立しないで殺す機会を伺える様に味方のふりをし続けていた…。でももう良いの。自分の運命を呪っても貴女を責めたりはしないわ。今は感情を捨ててただ目的の為に全力を尽くすだけ…だってシリウスが自由になれれば、ハリーにとっても母にとっても嬉しい事になるはずなんだもの。」
大きく深呼吸をすると、泣きそうな顔をしながら見ているハーマイオニーに切なげに微笑んでから、すーっと表情を消した。
それは出会った頃の様に、人形の様な冷たい顔だった。
レンはシリウスの様子が気になりそちらを見れば、今度はクルックシャンクスも乱闘に加わり、ハリーが杖をとるのを必死に止めようとしている。
「…ずっとそうやって生きて来たの?」
感情を閉じ込めているレンの表情はとても冷たいものだったのだろう…ハーマイオニーは悲しそうにそう呟けばレンは自嘲的に笑んだ。
「そうね。小さい頃から死喰い人に囲まれて居たから…。それに…今は私の感情なんて邪魔なだけ。もう護りたい者も守れないなんて嫌なの。」
感情を表に出してしまえば、きっと自分は泣いてしまう。
去年の時の様に、泣き喚いて何も出来ないまま終わってしまう。
自分の感情を押し殺したって、何も出来ないままで終わってしまうのはとても嫌だった。
「友達に杖は向けたくないわ。下がっていなさい。」
レンは再度忠告をした。
今シリウスの計画が成功すれば、シリウスの無実が証明できるのだ…
そうすれば…ハリーはシリウスを信じてくれるかもしれない。もうダーズリーの家で辛い思いをしなくて良いかもしれないのだ。
レンの忠告に、ハーマイオニーは戸惑いを見せるも大きく顔を横に振った。