「エクスペリアームス」
その人物はそう唱え、誰かから杖を奪う。
先程の状況からして杖を持っていたのは、ハリー、ロン、ハーマイオニーだ。
「レン、しっかり…」そう心配そうなリーマスの声が聞こえる。
ゆっくりと瞼を開くも、目が回って上手く言葉が出てこずに、身を起こそうと試みるも、目眩でうまく体を正常な位置に保っていられずに、パタンッと音を立ててまた身が倒れてしまう。
それにリーマスは察したのだろう、軽く杖を振るえば、頭の切り傷を止血してくれ、目眩が徐々に治っていく様に感じた。
リーマスはレンの髪を優しく撫でてから、杖をシリウスに向けゆっくりと歩いていく。それにハリーもロンもハーマイオニーも安心したように何も言わなかった。
「シリウス…アイツは何処だ?」
シリウスは無表情で何も答えずにリーマスを見つめるだけだったが、暫くしゆっくりとロンを指差す。
「しかし、それなら…なぜ今まで正体を現さなかったんだ?…アイツがそうなのか?キミはアイツと入れ替わっていたのか?…私に何も言わず?」
リーマスは考えながらそう言っているのだろう、その言葉にシリウスはゆっくりと頷いた。
「ルーピン先生、いったい何が?」
ハリーは状況が読み込めてはおらず、リーマスに声を掛けたが、リーマスはシリウスに向けていた杖を降ろし、シリウスの手を取り助け起こし2人は兄弟の様に抱きしめあった。
「なんて事なの!」
ハーマイオニーは叫び声を上げ、レンはやっとの事で身を起こし様子を見れば、ハーマイオニーの表情はショックを隠せない様だった。
リーマスはシリウスを離し、ハーマイオニーの方を見れば、ハーマイオニーはリーマスを指差している。
「先生は…先生は…その人とグルなんだわ!レンは先生の事とても慕っていたもの。レンも先生も一緒なんだわ!」
「ハーマイオニー、落ち着きなさい。」
「先生の為に私誰にも言わなかったのに…隠していたのに!」
「ハーマイオニー、話を聞いてくれ。頼むから…説明するから。」
リーマスは叫んだが、ハリーの困惑した表情が怒りの色に変わっていく。