「だって、リーマスは私がシリウスが無実の証拠を探しているのを一生懸命止めてたわ!もし無実だったとしたら真犯人が神経質になっていて危険だって…それなのに…!」
思わず大粒の涙が溢れ両手で顔を覆い隠せば、俯いた所為か目眩に襲われ、倒れる様にその場に座り込めば、シリウスはゆっくりとレンの元へと近付き、彼女の体を支えると天蓋のベッドの上に座らせ自分もその側に座っては、シリウスの側にクルックシャンクスはやってくる。
「いつ頃から気付いていたのかね?」
「ずっと前から…スネイプ先生のレポートを書いた時よ。」
「スネイプ先生がお喜びだろう…。」
リーマスは落ち着いてそう言った。
「スネイプ先生は、私の症状が何を意味するのか、誰か気付いて欲しいと思ってあの宿題を出したんだ。月の満ち欠け図をみて、私の病気が満月と一致する事に気付いたんだね?それともボガートが私の前で月に変身するのを見て気付いたのかね?」
「両方よ。」
「ハーマイオニー、キミは私が今までに出会ったキミと同年齢の魔女の誰よりも賢い。」
「違うわ…私がもっと賢かったら皆に貴方の事を話していた。」
「しかし、もう皆知っている事だ。少なくとも先生方は皆知っている。」
「ダンブルドアは狼人間と知っていて雇ったというのか?正気かよ。」
ロンは息を呑み、レンはまた反論しそうになったが、それをシリウスが制し「少し休んでいなさい」とシリウスはレンにそう声をかけ「でも…!」と反論するレンの頭を自分の肩に押し付ける様にすればレンは諦めてそのまま瞳だけを閉じ耳を澄ました。
犬の時と同じ…どこか懐かしい香りが息を吸う度に心の中に染み渡っていく様だった。
「先生の中にそういう意見もあった。ダンブルドアは、私が信用できると何人かの先生を説得するのに随分ご苦労なさった。」
「そしてダンブルドアは間違ってたんだ!先生はずっとコイツの手引きをしていたんだ!」
ハリーはシリウスを指差し叫び、シリウスの手が震えていたのがレンにも判った。
「私はシリウスの手引きはしていない。訳を話させてくれれば説明するよ。ほら」
リーマスは3本の杖を1本ずつハリー達に放り投げて持ち主に返せば、自分の杖をベルトに挟みこんだ。
3人は呆気にとられ、自分の杖を受け取っている。