「三本の箒で聞いたでしょう?シリウスとハリーのお父さん、リーマス、そしてピーターは親友でいつも一緒だったって。ハリーのお父さんとシリウスの後をいつもピーターが付いてまわっていたっていたってね。」
ハリーはそれに「それは聞いてるし覚えてるけど…。」とどこか困惑気味だった。
「忍びの地図には、プロングズ、パッドフット、ムーニー、ワームテールという名前が刻まれていたわよね?」
「うん。それが何だっていうんだ?」
「ムーニーは英語だと満月のような、気が狂ったという意味があるわ。満月で変身する人狼にはぴったりの渾名ね。パッドフットは…多分だけれど、同じ名前の赤い目を持って真っ黒な大型犬の姿で現れる悪霊の名前か、直訳すると肉球足…どちらも黒い犬から名付けられた渾名じゃないかしら。」
「あぁ、その通りだ。」
シリウスは驚いている様だったが、素直に肯定してくれる。
「プロングスは枝分かれした様な角の事。ハリー、貴方のお父さんの事よ。牡鹿に変身したんだと思うの。…そして最後にワームテール。ミミズの様な尻尾、鼠の尻尾そんな意味合いよ。鼠に変身できるピーター・ペティグリューにはぴったりの渾名。…ハリー、その地図を作った人は、皆貴方のお父さんの親友達だったの。ワームテールはその地図を作った1人ならその効果も何もかも知っている。それはとっても恐怖だったに違いないわ。ハリー、知ってるでしょう?ピーター・ペティグリューの亡骸は指1本。そしてスキャバーズも指が欠けていて、2年位が寿命の鼠が12年以上も生きてるの…命の水を飲んでるなら判るわ、でもそうではないのよ。」
「レン…キミって子は、本当に色々な事を知っているし聡いんだね。驚いたよ。」
リーマスは優しく笑みレンにそう言えば、レンは小さく笑ってみせた。
「けど、スキャバーズがペティグリューのはずがないわ。そんな事ありえないし、先生もその事をご存知なはずだもの。」
リーマスはそれに「どうしてそう思うんだい?」と、まるで実験の問題点を指摘したかのように静かに聞けば、ハーマイオニーは落ち着こうと努力しながら言葉を続ける。
「マクゴナガル先生の授業で、アニメーガスの勉強をしました。その宿題で私はアニメーガスを調べたんです。…魔法省が動物に変身できる魔法使いや魔女を記録していて、何に変身するとか特徴などを書いた登録簿があります。そこで私、マクゴナガル先生が載っているのを調べました…けれどそこに載っているのは、今世紀になって7人で、そこにペティグリューの名前はありませんでした。」
「ハーマイオニー、正解だ。だけれど魔法省は未登録のアニメーガスが3匹ホグワーツを徘徊していた事を知らなかったのだ。」
「その話を聞かせるつもりならば、さっさと済ませてくれ。私は長くは待てない。」
シリウスはスキャバーズをジッと監視し続けながら唸れば、リーマスは小さく頷き「キミにも助けてもらわないと…私はそもそもの始まりの事しか知らないし、レンも自分なりに調べた事でしか知らない。」と言えば、話が途切れる。
それもその筈で扉が自然と開いたのだ…。