「エクスペリアームス」
そう唱えたのはレンだけではなかった。
ハリーもロンも、ハーマイオニーですらスネイプに向かってその呪文を唱え、ドアの蝶番がガタガタ鳴るほどの衝撃が走り、スネイプは足元から吹っ飛んで壁に激突し、ズルズルと床に滑り落ちると、髪の下から血が流れ出てノックアウトされた様だ。
「こんな事、キミ達はしてはいけなかった…私に任せておくべきだった…。」
シリウスはそう言うとリーマスの側に駆け寄り、彼を縄から解放せば、リーマスは立ち上がりハリー達にお礼を言った。
「僕、まだ貴方達を信じるとは言っていません。」
「レン…私はキミがスネイプを殺してしまうんじゃないかと思ったよ。」
レンはリーマスに杖を返す為に近付けば、苦笑しながらそういうリーマスにレンは「私が禁じられた魔法を使うのはヴォルデモートにだけよ」と言えば、ロンに近付く。
「ロン…結局はその鼠が本当の鼠かどうか、証明すれば真相が判明すると思うの。スキャバーズがピーターでない限り、傷つけるような事はしないわ。」
「ねぇ、ペティグリューが鼠に変身できたとしても…鼠なんて何百万といるじゃないか…レンもソイツもどうしてペティグリューがスキャバーズだって判るっていうんだ?指が欠けたってだけだって他にも欠けた鼠は居るだろ?」
「そうだとも、まともな疑問だよ。」
リーマスはロンの疑問にシリウスとレンを見ながら眉根を寄せた。
「シリウスはアイツの居場所をどうやって見つけ出したんだ?」
シリウスはその問いに、ローブからくしゃくしゃになった一枚の紙を取り出してみせる。
それは1年前の夏、日刊預言者新聞に載ったロンと家族の写真で、ロンの肩にはスキャバーズがいた。
「どうしてこれを?」
「ファッジだ。去年アズカバンの視察に来た時、ファッジがくれた新聞だ。ピーターが其処に居た。私には直ぐに判った。コイツが変身するのを何回見たと思う?それにこの写真の説明にはこの子がホグワーツに戻ると書いてあった…ハリーのいるホグワーツへと…。」
「本当に…アイツは自分で自分の指を落としたのか?」
「あぁ、変身する直前にな。彼奴を追い詰めた時、あいつは道行く人全員に聞こえる様に、私がジェームズとリリーを裏切ったと聞こえる様に叫び、私が呪いをかけるより先に隠し持っていた杖で道路を吹き飛ばし多くのマグルを皆殺しにした…自分はその直ぐに下水に逃げ込んだ。」