「…レン、あの時私に話してくれた様に、キミはそこまで気付いていたんだね…?」
「えぇ、クルックシャンクスはニーズルの混血。」
「ニーズル?」
ハーマイオニーが不思議そうに声を漏らす。
「えぇ。猫に似た魔法生物よ。怪しいものを見分ける特殊な能力を持っていて信用に足りる者にしか懐かないの。そのクルックシャンクスはシリウスに懐いたわ。クルックシャンクスとシリウスが鼠を狙っている。シリウスがあの時と同じ手段を使ったって言ったのと、リーマスにピーターはアニメーガスだって教えてもらって、その真実にたどり着いたわ。言ったでしょう?クルックシャンクスがスキャバーズだけを狙い続けるのには理由があるはずだって。…まぁ証拠は何1つないけれど、ね。」
「ロン、その鼠は今はあまり元気じゃないようだね…私の想像だが、シリウスが脱獄してまた自由の身になったと聞いて以来やせ衰えてきたのだろう?」
「コイツは、その狂った猫が怖いんだ!」
「この猫は狂ってはいない。ニーズルの混血と聞いて納得がいったよ。ピーターや犬の私を見るなり、直ぐに正体を見抜いた。…私も信用してもらうのに暫くかかった。やっと私の狙いをこの猫に伝えれば、それからずっと私を助けてくれた。ピーターを此処に連れてこようと奮闘したが出来なかった代わりに、誰か男の子のベッドから沢山の合言葉が書かれたメモを持ってきたりね。しかしピーターは逃げ出した…さっきレンが言ったが12年前と同じ手口を使って。」
「お前が僕の両親を殺したと同じ様に、自分も殺そうとしていると気付いたからじゃないか!」
ハリーがそう言えば、レンは「違うわ」と口を挟んだ。
「ハリー。もしその通りならシリウスはアズカバンに入れられて自分の身の安全は守られたのに、どうして12年も鼠のままでいる事を選んだのかしら。そう考えれば判る筈よ…事実は逆だって。自分が悪い事をして逃げているという念があるから人間に戻っても身の安全が保障されない…だから戻れなかった。自分は死んだふりをしていました、そんな事が知られてしまったら、シリウスの親友、リーマスやダンブルドアが真相に気付いていたでしょうしね。」
「嘘だ!ブラックが秘密の守人だった!ブラック自身が言ったんだ、コイツは僕の両親を殺したって!」