「ハリー…私が殺したも同然だ。最後の最後になってジェームズとリリーに守人はピーターにする様に言ったんだ。彼に変える様に勧めた…私はアクアにその事を話した。彼女は顔色を変え直ぐにピーターの所かジェームズの所へ行けと真っ青な顔で叫んだ。…私はピーターが無事かどうか確かめに行く事にした。ピーターを守ること即ちジェームズ達の身を守る事にも繋がる。…ところが彼の隠れ家に行ってみるともぬけの殻だ。しかも争った跡が無い。私は不吉な予感がし直ぐにキミのご両親の所へ行けば、家が壊され2人が死んでいるのを見た…その時全てを悟った…。」
シリウスは涙声になりながら顔を背ければ、「話はもう十分だ」とリーマスの情け容赦ない声が聞こえる。
「レンが先程言ったね。何が起こったか証明する道は唯1つ…ロン、その鼠を寄越しなさい。無理矢理にでも姿を元に戻させ、もし彼が本当の鼠ならば、これで傷付く事はない。」
そういえば、ロンは少々躊躇ったが、リーマスに鼠を渡した。
「シリウス準備は?」
「一緒にするか?」
「そうしよう…3つ数えたらだ。」
シリウスの涙目が突然燃え上がったかの様だった。
リーマスのその言葉を合図にカウントされ、3という言葉と同時に青白い光が2本の杖から迸った。
一瞬スキャバーズが中に浮き其処に制止すれば、小さな影が激しく捩れ、鼠が床に落ち、1度目も眩む様な閃光が走り…その鼠は小柄な男に姿を変えていた。
まばらな色褪せた髪はくしゃくしゃで天辺に大きなハゲがあり、太った男が急激に体重を失って萎びた感じの男だ。
「やぁピーター。暫くだったね。」
リーマスは朗らかに声をかければ、ピーターは鼠のような声で、視線はちょくちょくと扉を見ながら「懐かしの友よ」と脅えている様子だった。
「ジェームズとリリーが死んだ夜何が起こったのか、今お喋りしていたんだがね、ピーター。キミはキーキー喚いていたから、細かい所を聞き逃したかもしれないな。」
「リーマス…キミはブラックのいう事を信じたりしないだろうね…アイツは私を殺そうとしたんだ。」
「そう聞いていた。ピーター…2つ3つすっきりさせておきたい事があるんだが…。」
リーマスが一段と冷たい声でそう言えば、ピーターは突然シリウスを指差して金切り声を上げる。
自分を信じてもらおうと、自分の命を守ろうと必死の様子で、ジェームズを、リリーを殺し、今度は自分までも殺そうとしている。自分を追ってきたんだ。コイツは名前を言ってはいけないあの人が何か術を教えたんだと…ブラックを信じるな…そう喚き、汗だくになりながら慌てている様子は、どう見ても本当の事を言っている様には思えない。