第37話
「シリウス…レンはあの夜、現場に居たんだ。ヴォルデモートに抱えられてジェームズとリリーが殺される現場を見ている。レンはその血の力によってその事を鮮明に覚えているんだ。」
「なんだって?!アクアはそんな事何も…」
「弱っていたところに最も信頼していた5人の1人に裏切られたんだ…誰にも言えず、悩み戸惑っていたのだろう。私もレンから聞くまで知らなかった。」
「ピーター、お前はアクアまでも裏切ったのか!?」
シリウスの体が大きく震え今にも彼を殺しそうなシリウスの形相にピーターは近付いたレンに擦り寄りながら泣き喚いている。
「お前を仲間だと、どんな事があろうと我が身を挺してお前の事を守り心配し続けたあのアクアをも…!!」
「仕方なかったんだ…あの人が、生まれた赤ん坊を欲していた…自分の血とクレスメントの血を受け継いであろう赤ん坊を…でないと私は殺されたんだ…。」
「母に…渡してくれって頼んだの?」
「そ、そうだ…」
「嘘を言うな、ピーター!あの時のアクアは、弱っていたがレンを渡す様な女じゃない!!」
「…し、死喰い人がやったんだ!」
「詳しく話してくれる?…貴方は信用ならないから、貴方の魔力を監視するわ。貴方の性格なら嘘を吐けば魔力が揺らいで判るでしょう。…嘘を吐いたら、私が貴方を始末する。」
そう冷たく脅す様に言うとピーターは震えがますます激しくなる。レンの赤目が脅しの効果を上げているのだろう。
「私は他の死喰い人と一緒に付き添い姿現しで行った…アクアが魔法でお嬢さんをあやしたまま、地下の調合室に行っている様だったんだ。私がお嬢さんを抱えた時…アクアが来て、それで…」
「それで?」
それに言いよどむピーターにシリウスははっきり言え!と怒鳴り散らせばピーターは震えながら言葉を続ける。
「突然お嬢さんの目が今の様に真っ赤になって泣き喚いた。それでアクアは私が密告者だって気付いたが…隠れていた死喰い人に撃たれた。それで私は闇の帝王の元へお嬢さんを連れて行った・・・お嬢さん、すまなかった。…私は死にたくなかった、必死だったんだ…許しておくれ…アクアは心優しい女性だった…決して私を殺そうとはしなかった…お願いだお嬢さん…」