「そうしたいのかい?本気で?」
「本気です!…でも僕はレンに酷い事をたくさんしてきた…だから…レンは僕を嫌がるかもしれない。」
シリウスはハリーの言葉に笑顔を浮かべた。
「あの子は、ハリー…キミが私を信じ、そしてマグルの所ではなく私と暮らして欲しいと願ってくれた。母の為にハリーの為そして私の為に無実を証明しようとしてくれていたんだ。私に止められてもリーマスに何度叱られても1人調べ続けていると、あの猫が私に話してくれた。そんな心優しい子だ、ハリーがレンと仲直りしたいと願えば必ず許してくれる。」
「シリウス、余計な事言わないで頂戴。」
「母親譲りの地獄耳と意地っ張りだな。」
シリウスはハリーにウインクして言えば、ハリーは思わず笑った。
「シリウス。ちゃんとしなきゃスネイプ先生の頭の天辺が禿げてしまうわよ?ホグワーツの地下室に住まう河童…軽くホラーで嫌だわ。」
その声がリーマスまでも聞こえたのだろう、振り向いてこちらを見ればニヤリと口元が笑う。あの顔は面白そうだから、やってしまおうか。そう考えていそうだった。
それからトンネルを出るまで何も話さなかった。
クルックシャンクスが最初に飛び出して木の幹のあのコブを押してくれていたらしく、続いてリーマス、ピーター、ロンの一組が這い上がっても獰猛な枝の音は聞こえてこなかった。
レンは3人の後に穴を抜け出れば、次に出てきたのは、スネイプ、ハリー、ハーマイオニー、シリウスの順だった。
校庭は既に真っ暗で、明かりと言えば、遠くに見える城の窓からもれる灯だけだ。
レンは、今度は最後尾を歩きながら皆を見守った。
ハリーはこれで1人じゃなくなる。
ハリーにちゃんと家族が出来て幸せと思える時を過ごせるんだ。
そう思えばどこか心が擽ったかった。