「これからは家族として見守ってくれるんじゃなかったの?リーマスが、私に家族の温もりと愛情を教えてくれたのよ?小さな頃から私には贅沢な物だって思っていた家族の温もりを手に入れられて、幸せすぎて罰が当たるんじゃないかって思ったくらい幸せな毎日だったの…。リーマスは私にとっていなくてはならない大切な存在で、血は繋がっていないけど本当に家族だと思えていたわ。…それを失うなんて、私堪えられない。」
レンのその言葉に、リーマスは考えているのだろう暫く黙ったままで、室内にはレンの鼻を啜る音やしゃっくりだけが室内に響き渡き渡る。
何も言わないリーマスに、ただただリーマスを困らせてるだけで家族には戻れないんだ。完全に嫌われてしまったんだ…。そうレンは思い、その場にペタリを座り込んだ。
泣き声をあげぬように口をへの字にして結んだまま手で涙を一生懸命拭うが止まらない様子に、リーマスは深く溜息を吐くと、レンの側に膝をつき頭を優しく撫でてやってから、ひどく切なそうな表情をしたままのレンに愛しそうな視線を向けては、そっとレンの目尻に口付けて涙を拭ってくれる。
「私の負けだ…残りのホグワーツ生活を楽しんでおいで。私は一足先に帰って待っている。それで良いかい?」
リーマスの問いにレンは頷いて見せれば、リーマスはレンを抱えて自分の使っていた事務所の椅子に座らせ、レンはそのまま必死に涙を拭いながらもリーマスが荷物を片付けている様子を眺め続けた。
「本当に…私の事、嫌いじゃない?」
「勿論。嫌いだったらどんなに泣こうと一緒にはいないさ。」
それにレンは、鼻声で「ありがと」と返事をすれば、リーマスは小さく笑った。
「でも…リーマス…私は本当に貴方が先生でなくなってしまうのは寂しい。」
「そうだね…キミはアクアのように突っ走るし、変なところが頑固で、そして不器用だ。そんなキミが来年も今年のように無茶をするのかもしれないと思えば、私も此処で見守れないのは心配だけれど…これでいいんだよ。」
リーマスは部屋の中を片付けながらそう言い、レンはどこか寂しいと思った。
「それにしてもあんな口説き文句何処で覚えてきたんだい?」
そう悪戯っぽく言うリーマスにレンはきょとんとするも恥ずかしそうに「必死だったの!」と顔を背ければリーマスは笑う。
「リーマス、何があっても私と此処で交わした約束は忘れないでね?」
「あぁ。長生きできるよう心がけるし、キミの家も黙って出て行ったりはしないよ。」
リーマスのその言葉に、安心したように息を吐きリーマスの様子を見つめていた。
夏休み明けに戻ってきた時にはもう、ここはリーマスの部屋ではなくなってしまう。
違う誰かが使う誰かの為の部屋…そう思えば思うほど、やっと止まった涙がまた溢れそうにもなるし切なさで胸が張り裂けそうだった。