「なんて顔をしているんだい?今生の別れじゃないんだよ?」
リーマスは振り向きながらそう言うリーマスに、レンは背後から抱きしめてしまえば、リーマスは小さく笑ってその腕を撫でてくれる。
「大丈夫だ。必ずあの家には帰るから。それとも私が信じられないかい?」
「そんなこと言ってないわ!…ただ…また私は、何も守れなかったし、何も変えられなかった。」
「本当にそう思うかい?」
「えぇ、心の底から。」
「キミは本当に自分に厳しい子だね。何も変えられなかった?罪なき命を2つも救ったじゃないか。それにね、私がシリウスと仲直りできたのはレンのお陰だ。あの時、頑なにシリウスを信じようとしたり、私を説得しなければ、私はあの場に行かなかったかもしれない。ピーターは逃してしまったけれど、でも私にとってはシリウスとまた友に戻れた事はとても喜ばしい事だ。」
「命を救ったのはハリーよ。私は何もしてない。」
「レン…反省はいいけれど後悔や自分を責め続ける行為は何も生まない。…判るね?キミ達はひとつのチームとして大きな事を成し遂げた。もう少し自分に優しくしてあげなさい。」
「…はぁーい。」
渋々そう返事をすれば、リーマスはおかしそうに笑っていた。
「さ、私の見送りはいいから、友達のところへ行っておいで。」
「友達なんていないわ。ハーマイオニーとロンには絶交されたままだもの。」
「他にもいるだろう?あの双子の所とかはどうだい?レンに良くしてくれてるじゃないか。彼らからレンの話を聞いたけどね、良くキミの事を理解してくれている。」
「…何処に居るか判らないもの。」
そう言うとリーマスは机の上に視線を向け、レンは思わず「ダメー!」と地図に覆い被されば、リーマスは声を上げて笑った。
「湖の畔にいるよ。」
「どうして判るの?」
「OWL試験が終わったからね。羽を伸ばしたがっている頃だろう。見なくても判る。…行って居なかったら、レンのお願いを1つ、私にできる事だったら叶えてあげるよ。」
「見てこいって言いたいのね。…判ったわ。」
「レン、あの家で帰ってくるのを待ってるよ。残りのホグワーツを楽しんで、そして気を付けて帰っておいで。」
「…えぇ。…リーマス、最後にもう1回、ギュってしてくれる?」
「変な事を言う子だね。最後じゃないだろう?家に帰ったらいくらでもしてあげるさ。」
レンを一度強く抱きしめれば身を離し、笑いかけながらそう言うと優しく頭を撫で「行ってらっしゃい」と言われてしまえば「行ってきます」としょんぼりした声色で言い返し、レンはトボトボとリーマスの部屋を後にした。
思い出したかの様にレンはペンと羊皮紙を呼び寄せれば、そこに『リーマスは私にとって最高の先生よ。』と書けば、それを紙飛行機にしてリーマスの部屋へと飛ばし、そこを後にした。