「本当にバックビークなの?」
レンは嘴を撫でてやれば、ヒッポグリフの瞳は優しくレンを捉えている。
「お帰りレン。」
森の中から2人の男性が姿を現し微笑みながらレンに声をかければ、レンからは自然と笑みが零れる。
「リーマス、シリウス、ただいま。」
「お帰り。…シャルに花を手向けたくてね。」
シリウスはシャルの事を知っているんだ…レンはそれが少し嬉しく思いながら小さく頷く。
森で摘んできたのだろう、小さな花々をお墓にお供えすればシリウスは少しの間そこで動かなかった。
少しすれば、シリウスはレンの側に歩いてきて、ゆっくりとレンを抱き締めてくれ、その胸に顔を埋める様に抱きしめ返せば、シリウスの香りが広がる。
リーマスの癒される温もりとはまた違う温もり…犬の時、肩に顔を埋めた時に感じた懐かしい香り…
ずっとこうして欲しかった…求めていた、父親の温もりを感じ、思わず抱き締める腕に力が入る。
「仲直りしてきたか?」
「えぇ。」
レンの返事にシリウスはホッと安心した様子を見せてレンを離す。
「レン、早速で悪いが1つ頼みがあるんだ。」
シリウスは一度リーマスと視線を合わせれば、レンにそう声をかけてレンは小さく首を傾げる。
「アクアの墓は何処にある?探したんだが、親戚が皆眠っている所には無かった…出来れば彼女に逢いに行きたくてね。」
レンはその言葉に、ハッとした。
「あ!リーマス知らなかったの?」
「あぁ、全然。…聞かなかった私も悪いんだがね。」
リーマスは少しだけ笑いながらそう言えば、レンは慌てて謝り「こっちよ。」と森の中へと進んでいく。
時折場所を確認するかの様に木々を確かめながら暫く歩き続ければ、ひらけた場所に泉があった。
太陽の光があまり差し込まない森の中で唯一光が差し込み水面は光を反射しキラキラと輝いてはどこか幻想的で、辺りには花畑などもある、この森に住まう動物達の憩いの場のようだ。
「あそこ。」
レンが指差した先に花に囲まれた墓がぽつんと置いてある。
いつも誰かしら森の住民が会いに来てくれるのだろう、いつも花が絶えず供えられている。