「シリウス・ブラックの名において命ずる。汝の秘密をあらわせ。」
そう唱え日記を杖で叩けば、駄目なようでシリウスは溜息をついた。
「どうしたの?」
レンはそれまで椅子に座ったままその様子を眺めていたが、どうもそれが気になり2人に近付けば2人はレンを見つめる。
「レン、このページに何か書かれていたかい?」
「いいえ。それが最後のページよ。」
その言葉に2人は顔を見合わせシリウスはその日記をレンに手渡す。
「さっき私がやった様にレンがやってみてはくれないか?」
レンは不思議に思ったが、2人の間に腰掛け、ローブから杖を取り出す。
「レン・クレスメントの名において命ずる。汝の秘密をあらわせ。」
そう言い杖で日記を叩けば、レンの杖腕は焼けるように熱が走る。
「熱っ」
思わず手を離してしまい、両手から杖と日記がシリウスの膝の上に落ち、日記は先程のページを開いたまま何もか書かれていない白紙の部分に焦げる様に文字を綴っていく。
「ルーン文字か…私達がこの内容を理解するには少し時間がかかりそうだ。」
シリウスは明日にでも読み始めよう、と零しソファの背凭れに寄りかかり、リーマスも溜息をつき「お茶でも淹れよう」と杖を一振りして紅茶を淹れてくれる。
だが、レンはじっとその日記のページを読めば、涙を零した。
「どうした?」
シリウスは不思議そうにレンの様子を眺め、レンは涙を袖で拭い深呼吸をした。
「シャルの字よ…読み書きを教えてくれた、あの時の字…間違いないわ…シャルが私にこれを残してくれた…。」
その時を指先でなぞり、レンはポツリと呟くように零す。
「読めるのか?」
シリウスは少し声を荒げて興奮気味に言えば、シャルが教えてくれたとレンは小さく頷く。
「私達に読んで聞かせてくれないか?」
リーマスがそういえば、レンは日記を手に取りゆっくりと読み始めた。