『レンお嬢様…シャルめが大切なお母様の日記を汚すご無礼をお許し下さい。
アクアお嬢様の無念を、シャルめはここに印さねばなりません。
ここならばレンお嬢様しかお読みになりませんし、もうシャルめの口からご説明出来なくなるかもしれないからで御座います。
シャルめはレンお嬢様がご立派になられるまでこの事をお伝えすべきではないと、お考えになりお話しなかったので御座います。
お嬢様がこの事を知ってしまえば…きっとお嬢様の身を危険に晒してしまうかもしれないからで御座います。
それはアクアお嬢様の意に反する事で御座います。
アクアお嬢様との約束を、あのヒトは守ってくださりませんで御座いました。それだけでは飽き足らずお嬢様のご遺体までお隠しになられた…。』
「隠しただと?!」
シリウスは怒りの声を上げ、リーマスは「続きを最後まで聞こう」と静かに言えば、シリウスは手を握り締めて静かになった。
その握り締めた手は怒りで震えているようだった。
『きっとレンお嬢様が大人になった時、ご遺体を使うおつもりだとシャルめは考えているのでございます。
シャルめは無念でなりません。お嬢様の住み慣れたこの屋敷に戻ってきたお嬢様の体は何ひとつ無いので御座います。
自害なさったと、ご主人様が持ち帰ってきたのはアクアお嬢様の杖ひとつとレンお嬢様で御座いました。
ご主人様はそんな杖とお嬢様をこの屋敷に連れてくるなり投げ捨て、シャルめに新しい主人は自分だと告げ命令をし立ち去ったので御座います。
アクアお嬢様も…きっと天国で泣いていらっしゃるかもしれません。そう思えば、シャルめの心は苦しいので御座います。
ですが…シャルめに出来る事は何も御座いませんでした。
ご主人様は立派な闇の魔女になる様にレンお嬢様をお育てしろとシャルめに仰られました…ですが、生まれて初めて友と仰って同等に扱って下さったアクアお嬢様のご意志は違うとシャルめは思いました。
ご主人様のご命令に従う事は友を裏切る事…シャルめは、とても考えましたで御座います。』