第4話
「なんか、こうしてリーマスと列車に乗っているのって不思議だわ。」
レンがそう言うと、リーマスはクスクスと笑う。
だが、その顔色は少し思わしくない。
「リーマス、今朝から思っていたのだけれど、顔色が良くないわ。体調が悪いの?」
レンはリーマスの隣に座り様子を窺ながらその手を伸ばし頬に触れるが、リーマスは「なんてことはないよ」と微笑んでみせる。
そう、レン達は人が溢れかえるより少し早く、この列車に乗り込み出発時刻を待っていた。
教師と生徒が一緒に歩く姿はあまり見られない方が良いと、リーマスが考えたからだ。
「緊張して眠れなかった…とか?」
レンはそう冗談半分で言うと「正解」とリーマスは答えたのでレンは驚いた。
「本当に?」
「さて、どうだろうね。どうだと思う?」
「判らないわ。だって、リーマスの冗談は冗談に聞こえない時があるんだもの」
レンがそう言うと、リーマスはクスクスと笑った。
それを見てレンは「そうだ」と言い、首に提げている物を外し、リーマスの手にそっと握らせる。
リーマスはそれを不思議そうに見たが、直ぐにハッとしたような表情に変った。
「どうしてこれを?」
「ん?それを知っているの?…ずっと前に母の形見だってダンブルドアから頂いたの。元気がない時とかそれを見ていると力を分けてもらえる気がするのよ。リーマスにそれを貸してあげる」
リーマスはそう言うレンの事もそのネックレスも懐かしそうに目を細めて見つめていた。
「これはね、キミのお母さんの恋人が、お母さんに贈った物なんだよ。懐かしいな」
その時の事を思い出しているのだろう、リーマスは幸せそうな笑顔を浮かべて暫くの間それを見つめていた。
レンもそんなリーマスを見ているのがなんだか楽しかった。