「僕自分から飛び込んで行ったりするもんか。いつもトラブルの方が飛び込んでくるんだ」
「ハリーを殺そうとしてる狂人だぜ?自分からのこのこ会いに行くバカがいるか?」
ロンはハリーに続いて震えながらそう言った。
ロンもハーマイオニーもシリウス・ブラックを予想以上に恐れていた。
ハリーにはそんな様子は全然見当たらないし…はたから見れば2人が殺人気に狙われているんじゃないかと思えるほどだ。
「ねぇ、何の音?」
小さく口笛を吹くような音が微かに何処かから聞こえ、レンがそう言うと3人は今それに気付いたかの様にコンパートメントを見回した。
「ハリー、キミのトランクからだ」
ロンは立ち上がって荷物棚に手を伸ばし、やがてハリーのローブの間から「携帯かくれん防止器(スニーコスコープ)」を引っ張り出した。それはロンの手の平の上で激しく回転しながら輝いている。
「それ、スニーコスコープ?」
ハーマイオニーは興味があるのか、立ち上がりそれを良く見ようとしていた。
「うん、だけど安モンだよ。エロールの脚にハリーへの手紙をくくりつけようとしたら、メッチャ回った」
「その時何か怪しげな事をしてなかった?」
「してない!でも…エロールを使っちゃいけなかったんだ。じいさん、長旅には向かないしね」
そうロンとハーマイオニーが話している時にレンとハリーは目を合わせ少しだけ笑った。
その時スニーコスコープが耳を劈くような音をだし始めレンは慌てて耳を塞ぎながらリーマスをチラリと見る。
「ロン、それ煩い」
「早くトランクに戻して。じゃないと、この人が目を覚ますよ!」
レンとハリーがそう言うと、ロンは慌ててそれをボロボロの靴下の中に押し込んで音を殺し、その上からトランクの蓋を閉めた。
レンは耳を塞いでいた手を離し、リーマスの方を見た。
少し身動きしただけでぐっすりと眠っているのを確認すると、ホッっと胸を撫で下ろす。
これだけ騒いでいても起きないなんてよっぽど具合が悪かったのだろうか…