第5話
1時にもなると、丸っこい魔女が食べ物を積んだカートを押して、コンパートメントのドアの前にやってきた。
「この人を起こすべきかなぁ?」
ロンはリーマスを顎でさし、戸惑いながらそう言うと「何かたべた方がいいみたいに見えるけど」とハーマイオニーが言う。
「あの、先生?…もしもし…先生?」
ハーマイオニーはそっとリーマスの側に寄ると声をかけるが、リーマスはコテンッとレンの方に頭を乗せるように動いただけだった。
「具合は大丈夫?少し何か食べた方が良いんじゃないかしら…?」
レンはそう声をかけると、リーマスは少しだけ動いたように見えたが、何の反応もない。
「大丈夫よ、お嬢ちゃん。目を覚ました時お腹が空いているようなら、私は一番前の運転手の所にいますからね」
魔女がそう言うのを聞きながら、レンはリーマスを元の位置に戻す。
「そうだ」と一言漏らし、トランクの中からローブの替えを取り出すと、壁に当たる頭と壁の間にそれを挟み枕代わりにした。
「この人、眠ってるんだよね?…死んでないよね?ね??」
ロンは魔女がコンパートメントの引き戸を閉めた時にこっそりと不安そうに言うと、レンはハッっとしてリーマスの口の近くに手を当てる。
規則正しく息をしているのを確認すると、ホッっと胸をなでおろした。
「ないない。息をしてるわ…って、レン…貴方もわざわざ確認しなくても良いじゃないの…」
ハーマイオニーはそう囁くと、レンは少しだけ苦笑した。
「はい、レン。」
気がつけば、ハリーが大きな魔女鍋スポンジケーキを一山いつの間にかに買っていて、それを皆に分けていた。
「ありがとう、ハリー」
レンがそう微笑めば、ハリーは少しだけ頬を紅くし、小さく頷いた。