「レン、大丈夫かい?」
ハーマイオニーとロンがハリーに声をかけている間、リーマスはレンを心配そうに見つめていた。
レンは小さく頷くと、リーマスは自分の荷物に手を入れ何か、ごそごそと探し始めた。
「ハリー、大丈夫かい?」
「あぁ…」
ハリーはゆっくりと瞳を開くと、そう小さく答え、身を起こした。
「レン、ありがとう。」
レンはそれに小さく首を振った。
「何が起こったの?アイツは何処に行ったの?…誰が叫んだの?」
「誰も叫びやしないよ」
「でも、僕、叫び声を聞いたんだ…」
すると、パキンッと大きな音がコンパートメントに響き、レン以外の者は飛び上がった。
その音がした方を見ると、リーマスが、巨大な板チョコを割っていた。
「さぁ、食べると良い。気分が良くなるから。」
割った欠片をハリーに手渡しながらリーマスはニッコリと微笑みハリーはそれを受け取ったが食べなかった。
「あれはなんだったのですか?」
「ディメンター…吸魂鬼さ。」
リーマスはレンや他の皆にもチョコを手渡し、レンはそれをチマチマと食べ始める。
「アズカバンのディメンターの一人だ」
リーマスに視線が集まり、リーマスは殻になった包み紙をくしゃくしゃに丸めてポケットに入れた。
「さぁ、食べなさい。元気になる。…私は運転手と話してこなくては…失礼」
「まって…待って!」