レンはその後姿を慌てて追いかけコンパートメントを飛び出せば、通路でリーマスは不思議そうに首を傾げる。
「どうかした?」
「リーマス…私…」
食べかけのチョコを片手に、レンはそう言っては黙り俯くと、リーマスは優しく頭を撫でてくれた。
「大丈夫、私は何処にも行かないさ。ただ運転手に報告だけしてこないと…わかるね?」
レンは小さく頷く。
「さ、コンパートメントに戻るんだ。皆心配しているよ」
リーマスに背を押され、レンはそのまま先程の場所に戻った。
ハリーの隣の席が開いていてレンはそこに腰をかけると、チョコの残りをゆっくりと齧る。
一口齧る度に体の中に奪われた温もりが戻っていく感じがした。
他の皆は、ハリーにいったい何が起こったのか話しているようだった。
「怖かったよぉ」
ネビルがいつもより上ずってそう言った。
「あいつが入ってきたとき、どんなに寒かったか…みんな感じたよね?」
「僕、妙な気持ちになった。もう一生楽しい気分になれないんじゃないかって」
ロンは気持ち悪そうに肩をゆすったし、ジニーはハリーと同じくらい気分が悪そうで隅の方で膝を抱え小声ですすりあげ、ハーマイオニーは側に行き慰めるようにジニーを抱いた。