「昨日の夜はあんなに気取っちゃいられなかったようだぜ。列車の中で吸魂鬼がこっちに近付いてきた時、俺達のコンパートメントに駆け込んできたんだ。なぁ、フレッド?」
「ほとんどお漏らししかかってたぜ」
フレッドは軽蔑の目でドラコを見ていた。
レンは2人の様子を見て、その落ち着いた様子に、年上なんだなぁと実感しながら、適当にお皿に盛り分けた物をゆっくりと食べ始める。
「俺だって嬉しくなかったさ。あいつら、恐ろしいよな。あの吸魂鬼ってやつは」
「なんだか体の内側を凍らせるんだ。そうだろ?」とフレッド
「だけど気を失ったりしなかっただろ?」とハリーは低い声で聞いた。
「忘れろよ、ハリー。親父がいつだったかアズカバンに行かなきゃならなった。フレッド、覚えてるか?あんな酷い所は行った事がないってオヤジが言ってたよ。帰って来た時にゃ、すっかり弱って震えてたな。奴らは幸福ってモノをその場から吸い取ってしまうんだ。吸魂鬼って奴は。あそこじゃ囚人は気が狂っちまう」
「ま、俺達とのクィディッチの第一線の後でマルフォイがどのくらい幸せでいられるか、拝見しようじゃないか」
フレッドがニヤリと笑い言うとハリーは何とか元気が出てきたようだった。
そう、今度のシーズン開幕第一試合はグリフィンドールVSスリザリンだ。
「レンも当然俺らを応援してくれるよな?」
「えぇ。ドラコは怪我が無い様にとは思うけれど…勝って欲しいのはグリフィンドールね」
レンは正直にそういえば、最初の言葉が気に入らなそうな表情をしていたが、レンが応援してくれるという事が判れば笑みを浮かべてくれていた。
暫くすれば、ロンがハーマイオニーの時間割がおかしいといっている間にレンは食事をし終え、再度確認する。
一時間目は占い学。北塔の一番上で行う授業らしい。
レンは何も持って来てない事を思い出すと、取りに行かなくては溜息を吐いた。
「どうした?」
「一度寮へ戻らなきゃ。さっきまで医務室だったから、何ももって来てないの。」
レンはそう言い立ち上がるとジョージが慌てて言葉を付け加える。
「合言葉知ってるのか?」
レンは小さく「あ」と言葉を漏らすと、ジョージは意地悪そうにニヤニヤと笑った。
「待ってろよ、食べ終わったら一緒に行ってやるから」
「合言葉だけ教えてくださっても良いのだけれど?」
「それだけだと面白くない。…そうだろ?」
ジョージはそう言うと、急いで食事を終わらせ、片手にママレードを塗ったトーストを一枚持って席を立った。