第7話
最後の数段を上りきると、小さな踊り場に出て、そこに他の生徒達も集まっていた。
踊り場からの出入り口は何処にも無かったが、天井に丸い扉があり真鍮の表札がついている。
授業開始間際になるとハリー達もその場に姿を現し、天井から銀色の梯子が降りてくる。
ハリーのすぐ側に降りて来た為、ハリーを先頭に次々とその梯子を上っていった。
教室の中は一風変っていて、屋根裏部屋を昔風の紅茶専門店に改造したような部屋で、小さな丸テーブルがざっと20以上、所狭しと並べられ、それぞれのテーブルの周りに、繻子張りの肘掛け椅子やフカフカした小さな丸椅子がならべている。
窓もカーテンも閉めたままで、部屋の中の明かりは、暗赤色のスカーフで覆われたランプの明かりと炎の明かりだけだった。
色々な道具が各場所に散りばめられていて、部屋の中は驚くほどに暑い。
「ようこそ…この現世で、とうとう皆様にお目にかかれて嬉しゅうございますわ」
占い学の先生…トレローニー先生は、暖炉の明かりの中に進み出た。
彼女は痩せた女性で、大きな眼鏡にスパンクホール飾った透き通るショールをゆったりと纏い、折れそうなほど細い首からは鎖やビーズ玉のネックレスを何本も提げ、両手は腕輪や指輪で地肌が見えない。
少し…変った先生だとレンは思った。
「さぁ、お掛けなさい。あたくしの子供達よ」
トレローニーがそう言うと、レンはハリー、ロン、ハーマイオニーと同じテーブルを囲み座った。
トレローニーは皆が座ったのを確認すると、ゆっくりと言葉を紡いでいく。
この占い学という学科は、教科書は殆ど役には立たない。
『眼力』の備わっていない人物には教える事は殆どない…
などの言葉を、通る先々にいる生徒に未来を予言するような言葉を投げかけながら伝えていく。
レンはなんだか暑さと彼女の話し方に、あまり授業に集中できなかった。
先生は何かと不幸な予言をするのがお好きなようで、レンはあまり好きになれそうもない授業を選んでしまったと思ってしまった。
近くに座っていたラベンダーにティーポットを取ってもらえるかと頼むと、ラベンダーは、棚から巨大な銀のティーポットを取りそれをトレローニーに手渡す。
「まぁ、ありがとう。ところで貴女の恐れている事ですけれど…10月16日の金曜に起こりますよ」
そうトレローニーが付け加えるとラベンダーは震えていた。