「それでは皆様、2人ずつ組になってくださいな。棚から紅茶のカップを取って、あたくしの所へいらっしゃい。紅茶をついで差し上げましょう。それからお座りになってお飲みなさい。最後に滓が残ったら左手でカップを持ち、滓をカップの内側にそって三度回しましょう。それからカップを受け皿の上に伏せてください。最後の一滴が切れるのを待ってご自分のカップを相手に渡し読んで貰います。『未来の霧を晴らす』の5,6ページをみて葉の模様を読みましょう…」
レンはハーマイオニーと組むと、一緒にカップを持ちトレローニーから紅茶を頂き、席に着くと、ゆっくりとそれを飲むが、紅茶はとても熱く、直ぐには飲めそうもなかった。
暫くして指示通りに全ての事をし終えると、ハーマイオニーとカップを交換する。
「私、凄くいい加減だと思うわ」
ハーマイオニーは小声でそう零し、レンは小さく苦笑した。
レンは『未来の霧を晴らす』を参考にしながら、ハーマイオニーの茶葉を読む。
本当にこんなのが当たるのかどうかは判らないが…。
「ハーマイオニー…貴女が今成し遂げようとしている事は、とても無謀だと出ているわ。きっとこれは来年までは続かない。けれどその手に入れた力は大いに役に立つ…?」
カップをテーブルの上に置き、それ以上はお手上げといった表情をみせると、同じようにハーマイオニーがカップを読み始める。
「貴女は…苦難な一年になるみたい。…けれど、大切なものを手にする事が出来るわ」
ハーマイオニーはそこまで読み取ると、同じようにカップをテーブルに置き、小さく息を吐いた。
丁度その時、トレローニーはロンからハリーのカップを取り上げると、そのカップの中身を覗いた。
次の瞬間、トレローニーは悲鳴を上げ、そのカップをテーブルに投げるように戻すと、自分の椅子に座り身を小さくして脅えている様子を見せた。
「お可哀相に…グリムが…グリムが取り憑いていますわ」
「グリム?」
「墓場に取り憑く巨大な亡霊犬です!これは不吉な予兆…大凶の前兆…死の予告です…」
その言葉にハリーだけではなく、周りの人達が言葉を失ったかのように静かになった。