ハリーは直ぐに帰ってきた。
ハリーとヒッポグリフのバックビークが戻ってくると、次は皆にやらせてくれるようで、ハリーの成功に続けと生徒が次々に牧場の中に入っていく。
レンもドラコに連れられてバックビークの側まで歩いてくると、少し離れた所にレンを待たせ、ドラコはバックビークに挑んだ。
少し近付きお辞儀をすれば、バックビークもちゃんとお辞儀を返してくれる。
それに気分を良くしたドラコの表情をみてレンは嫌な予感がし、遠目に見ていたが早足でその場に向かう。
「ドラコ、止めて!」
「全然危険じゃないな。この醜いデカブツの野獣君」
レンの叫びの忠告も空しくドラコは胸を張りながらバックビークにそう言うと、レンはバックビークの怒りを感じ、そのままその場に飛び出しドラコを突き飛ばすように庇った。
ドラコが怪我をしてしまったら、ハグリッドがルシウスに何をされるか判らない。
が、ドラコは思わぬ行動に出た。
一年の罰則の時はレンを置いて逃げたあの子が、庇いに入ったレンを片手で抱き寄せ庇ったのだ。
その片手を振り上げた所為で、バックビークの鉤爪がドラコの腕を引き裂いてしまう。
「死んじゃう!僕、死んじゃう…見てよ!アイツ、僕を殺した!!」
レンは体を起こし、ドラコの腕を見るとローブがあっという間に血で染まっている。
「大丈夫、それくらいで死んでいたら、他の人は何度死んだか判らないわ」
レンはそう言いながら、ドラコの傷口を見て軽く舌打ちをすると、懐からハンカチを取り出し、真ん中を途中まで切り裂きひも状にすると、傷口より上の部分をきつく結び止血をする。
「クレスメントの力よ…我に従え」
レンは小さく言葉を紡ぎ傷口に片手をあてると、ふわりと柔らかい光がその手からあふれ出し傷口を包み始める。
ドラコが襲われた事でパニックになっていた生徒達がその光景に息を呑み、騒ぎ立てられていた声がすぅっと引き沈黙が保たれる。
ハグリッドはバックビークに首輪を着け鎖で繋いだ後、レンの肩に手を置きそれを止めさせる。
淡い光がドラコの腕を包み傷口から溢れ出る血液がやっと止まったところだった。
「ドラコ…先生の指示に従わないと、とても危険な事だってあるのよ。それだけは忘れては駄目…貴方がこんな怪我をする所、もう見たくないの」
レンはそうドラコに言うと、術を解き、ゆっくりと立ち上がる。
ハグリッドはドラコを軽々と抱え上げ「誰か手伝ってくれ」と声をかけると、ハーマイオニーが走って行ってゲートを開けてくれた。
レンはそのままハグリッドについて医務室へと走って行った