「腕はとても痛いけど、レンがそれ以上の怪我を僕の代わりに受けようとしたんだ。だから僕はとっさにレンを引き寄せた。結果的に腕を怪我しちゃったけどね。僕はこれで良かったと思ってるよ。彼女が怪我をしなかったんだ、これは勲章さ。」
ドラコはそう言うと、パンジーにそう笑い、パンジーは頬を赤くしてドラコに抱き付き泣いていた。
「もう二度と彼女を悪く言わないでくれよ?彼女は僕や僕の家族にとっても大切な人なんだ。」
なんだその自分の恋人を紹介するような言葉は…とパンジーは思ったらしく、驚いた表情をみせてドラコから離れると、レンを鋭い目で睨みつけ、レンは思わず苦笑してしまう。
「高貴なるクレスメント家当主。歴代の当主の中でも最も闇の力と一族の力を受け継いでる…僕達の姫さ」
また始まった…レンはそう思うと優しくドラコの手を振り解き、ニッコリと微笑む。
「そんな大層なものではないわ、ただの幼馴染よ。それじゃ、ドラコ。私は失礼するわね。ドラコ、庇ってくれて有難う。お大事に」
レンはそう言うと、ドラコは少し寂しそうにしたが、レンは気にせず出入り口に歩いていくと、ドラコは何やら視線をレンに向けたママパンジーにレンがどんな人物かを教えているようだった。
「彼女は、グリフィンドールに間違えて組み分けされてから、少し汚染されてる所はあるが、必ず僕らのところに戻ってくる。そういう運命なんだ」
そんなドラコの声が聞こえたが、レンは敢えて聞こえないフリをしてしまった。
レンはそのまま玄関ホールへと歩きハグリッドの小屋へ向かっていたが、丁度帰ろうとしていた理事達、そして見送るダンブルドアにハグリッドが其処には居た。
ハグリッドは酷く落ち込んでいる様子を見て、レンはまさかクビにさせられたのではないかと慌てて駆け寄る。
「あのッ!」
理事達の前に立てば、大人の女性らしい挨拶の所作をし、息を整えてからレンは口を開く。
「あの…皆様方がお決めになった事を私の様な若輩者が口を挟むのは失礼な事だと重々承知しておりますが、お願いです、ハグリッドをクビにしないでください。ハグリッドは悪くありません、事故だったんです。侮辱に取れる言葉をヒッポグリフの前で口にすれば攻撃される事もあると、ちゃんと指示していました。それをグリフィンドールの生徒達にも聞いてみてください。皆同じように証言してくれる筈です。ヒッポグリフも良い子でした。けれど1人の生徒が誤って侮辱に聞こえる言葉を口にしてしまって…それで…。」
レンがそういえば、理事の何人かはニッコリと微笑んでくれていた。