「今度のクレスメント家当主は、実に人思いな心優しいお方のようだ。」
「何人かの証言を聞いた上で審議にかけねばなるまいが、貴女の証言も貴重なものとして、参考にさせていただきましょう」
「有難うございます。皆様方の暖かい心遣いに感謝致します。」
レンは深々と頭を下げると、理事達は「クレスメント家当主に頭を下げて頂く事は恐れ多い。」と直ぐに止めさせ、レンは苦笑をしたが、彼らはレンの気持ちが伝わったのか微笑んでその場を後にした。
ふと、その場にダンブルドアやハグリッドが居た事を思い出し、恐る恐るそちらを見れば、ダンブルドアは優しく微笑んでレンの頭を撫でてくれた。
「先生、私、時間が許されるまでハグリッドの側にいても良いですか?」
ダンブルドアは小さく頷いたが、レンの口の前に人差し指を持ってきてニッコリと微笑んだ。
「ハグリッド”先生”じゃよ、レン」
「あ…」
レンが思わす声を漏らせば、楽しそうに笑い、ダンブルドアは校長室へと戻って行った。
ハグリッドの小屋に到着すると、ハグリッドはジョッキを取り出しお酒を飲み始め、何も話さなかったので、レンはその側の席に座ると、テーブルの開いている部分でマクゴナガルが出した宿題をやり始めた。
「私、ヒッポグリフの授業とても楽しかったわ。羽から毛に変る綺麗な毛並みとかとても美しかった。」
レンが羊皮紙に目をやりながらそう零すと、ハグリッドはズズッと鼻を啜った。
「気を使ってそう言ってるんじゃないのよ?今度は私もバックビークの背に乗れたらな…私も仲良くなれるかしら?あ、でも、バックビークってグリンゴッツのトロッコみたいに飛ばないわよね?」
レンが少し不安になり、そうハグリッドに聞けば「いんや、そんな飛び方はせん」と答えただけだった。
レンはそれを聞くと「良かった。」とだけ漏らし、宿題を早めに終わらせられるように仕上げていく。
夕食の時間の頃までにはレンは宿題をやり終えていたが、ハグリッドの小屋から出ようとはしなかった。