第10話
「ねぇ、リーマス…私、スリザリンは苦手だわ…」
昼食を食べ終え、紅茶を口にしながらも言葉にすれば、リーマスは「何かあったのかい?」と、首を傾げる。
「あのね。ハグリッドの授業でヒッポグリフをやったの。知ってる?」
「あぁ、勿論。毛並みの変わる様が美しかっただろう?」
「そうなの!でも、その授業でドラコがヒッポグリフを侮辱して、怪我をしてしまったの。その時、ドラコが怪我をしたらルシウス…ドラコのお父様なんだけれど、彼が黙ってないって思って、私とっさに庇ったの。…でも、ドラコはそんな私を庇って腕を怪我してしまって…私の所為だって判ってるわ。ドラコに恨まれるならまだしも…どうしてそれを他の子に恨まれて睨まれ続けなきゃいけないのか判らない…」
レンは子供のように唇を尖らせながらそう言うと、リーマスはそんな言葉をレンから聞く事が出来るとは思っていなかったのだろう、一瞬驚けば直ぐにクスクスと笑い声をもらす。
「笑い事じゃないわ」
「ごめんごめん。…レンは人に感謝されたくてドラコを庇ったのかな?」
「違うわ。」
「だったら、言わせたい奴には言わせておけば良いんだよ。」
「そうなのだけど…なんか…何故だか解らないけど、苛々するの。」
「他の人に文句を言われるのが苦手になったのかい?」
リーマスからそう聞かれれば、首を縦に振る事が出来なかった。
嫌いな人からなんと言われようと、自分の信念がある限り多少はムッとする事があっても、今日の時程苛々はしないだろう。
そう考えればレンは首を横に振った。
「それなら…もしかしたら、だけれど…ヤキモチを妬いたのかもしれないね」
リーマス悪戯っぽくそう言って見せれば、あからさまに眉間に皺を寄せて「え?」と言葉を漏らすレンの姿に可笑しそうに笑ってしまっていた。