リーマスは小さく溜息を吐いてから杖を取り出すと、肩越しに生徒達を振り返って言い、杖を肩の高さに構える。
「ワディワジ、逆詰め!」
リーマスはそう唱えると、杖をピーブズに向ける。
すると驚いた事に、先程ピーブズが鍵穴に詰め込んでいたガムの固まりが弾丸のように勢い良く飛び出し、ピーブズの左の鼻の穴に見事命中!
ピーブズはもんどり打って逆さま状態から反転し、悪態をつきながらズーム・アウトして姿を消した。
「先生、カッコイイ!」
ディーン・トーマスは驚嘆した。
「ディーン、ありがとう」
リーマスは杖を元に戻すと「さぁ、行こうか」と皆を連れて歩き始める。
レンはふと周りを見渡せば、先程の眼差しが全員尊敬の眼差しでリーマスを見つめていて、レンはなんだか鼻が高かった。
職員室まで来ると、リーマスは扉を開けて生徒達を先に中へ入れさせる。
職員室は居た壁の奥の深い部屋で、ちぐはぐな古い椅子が沢山置いてあった。
がらんとした部屋に、たった一人、スネイプが低い肘掛け椅子に座っていたが、クラス全員が列をなして入って来るのを見渡すと口元には意地悪な笑みを浮かべている。
「ルーピン、開けておいてくれ。我輩、出来れば見たくないのでね」
スネイプは立ち上がり、黒いマントを翻して大股で皆の脇を通り過ぎドアの所まで来ると、思い出したかの様に振り返る。
「ルーピン、多分誰もキミに忠告していないと思うが…このクラスにはネビル・ロングボトムがいる。この子には難しい課題を与えない様、ご忠告申し上げておこう。ミス・グレンジャーが耳元でヒソヒソ指図を与えるなら別だがね」
まだ先程の魔法薬学の授業の事を根に持っているのだろうか…とレンは思ってしまった。
ネビルは真っ赤になっていてなんだか可哀相に思える程だった。
「大丈夫よ、ネビル。」
レンは小さな声でそう言ってネビルの背をそっと撫でれば、涙目で「ありがとう」と小さく呟いた。
「術の最初の段階で、ネビルに僕のアシストを務めてもらいたいと思っていましてね。それにネビルはきっと、とても上手くやってくれると思いますよ」
リーマスが眉をきゅっと上げてそういえば、ネビルがもっと赤くなり、スネイプは不快そうな表情をしてバタンと音を立てるように扉を閉めてスネイプは立ち去っていってしまった。