第11話
「それじゃ…」
リーマスは皆に部屋の置くまで来るように合図し、そこに辿り着けば先生方の着替え用のローブを入れる洋箪笥がぽつんと置かれていた。
リーマスはそれの脇に立つと、箪笥が急にワナワナと揺れ、バーンッと壁から離れた。
「心配しなくて良いよ…この中には真似妖怪、ボガートが入っているんだ。」
ネビルは先程から隣に居るレンのローブをキュッときつく握り締めて真っ青になって、恐怖を訴える表情でリーマスを見つめている。
「さて、ここで最初の問題ですが…真似妖怪のボガートとはなんでしょう?」
「形態模写妖怪です。私達が一番怖いと思うのはこれだ!と判断すると、それに姿を変える事が出来ます。」
「私でもそんな風に上手くは説明できなかっただろう。」
ハーマイオニーの答えにリーマスはそう言うと、ハーマイオニーは頬を紅く染めた。
「それじゃ…そうだね、レン。ボガートはどのような所に出現し易いかな?」
レンは自分が指されるとは思わなかったので、少し驚いた様な表情を見せ、直ぐに言葉を続けた。
「確か…暗くて狭い場所を好む性質なので、例えばベッドの下の隙間とか引き出しの中とかそういった場所に良く現れます。」
「うん、そうだね。よく出来ました。」
リーマスにそう褒められれば、レンはなんだか心が擽ったい感じがして頬が少し紅くなった。
「私は一度、大きな柱時計の中に引っかかっている奴に出会った事がある。さて、此処に居るのは、昨日の午後に入り込んだ奴で…3年生の実習に使いたいからと先生方にはそのまま放っておいていただきたいと校長先生にお願いしたんですよ。」
リーマスが話している間も、箪笥はガタガタッと揺れ、その度に驚く生徒が何人かいた。