「皆いいかい?」
ハッッとして顔をあげれば、皆が大きく頷いた。
「私は少し下がって、次の生徒は出るように指示を出すから、皆も下がって…。さぁ、ネビルが間違いなくやっつけられるように…」
皆、壁に沿うように後ろに下がると、リーマスがレンに視線を向けた。
「レン、キミはこっちに来てもらえるかな。あの不幸な出来事が起こって間もないキミに、これはとても酷な課題だから…皆がやっているのをみて、その様子をレポートにして提出するように…良いね?」
「はい、先生。お気遣い有難う御座います。」
レンがそう小さく答えれば、直ぐにリーマスの隣にたった。
顔色が悪かったのだろう、ハリーが少し心配そうにレンを見ていたし、リーマスがポンと肩を叩いてくれた。
「それじゃ行くよ。いーち、にー、さんっ。それ!」
ネビルが杖を構えたのを確認すれば、リーマスは杖を箪笥に向けてカウントを取る。
合図と同時にリーマスの杖から火花が迸り、取っ手のつまみに当たる。
すると洋箪笥は勢いよく開き、恐ろしげなスネイプがネビルに向かって、瞳を怪しく輝かせながらゆっくりと近付いてくる。
「リ、リディクラス!」
ネビルは上ずった声で呪文を唱えると、パチンッと大きな音がすれば、スネイプが躓いた。
今度は長いレースで縁取りしたドレスを身に纏い、見上げるほど高い帽子の天辺に虫食いのあるハゲタカの剥製、手には巨大な真紅のハンドバックをぶら下げている。
順番を待つ生徒達から一斉に笑い声が上がり、ボガートは途方にくれる様に立ち止まった。