「噛まれた所為で、今と同じような苦しみをずっとリーマスは味わってきたのよね。けど、大丈夫。私はリーマスから離れたりしない。人の痛みを知っていて優しくて…でも杖を持たせたらかっこいい人狼で、今ここにいる貴方がとても大切。どんな人達がリーマスの敵になろうと私は味方で居続けられる自信もたっぷりあるわ。言いたい事は言いまくってしまうかもしれないけど。」
最後の一言を悪戯っぽくいうと、リーマスはゆっくりとレンから離れ、レンがリーマスの方を向けば真直ぐにレンを見つめる。
その瞳は潤んでいた…それを見ればレンは柔らかく微笑む。
こうして笑う事が出来るのもリーマスや今は亡きシャル、そしてハリー達のお蔭なのだ…。
段々とリーマスの顔が近付いてきて、レンは一瞬ドキッと心臓が跳ね、僅かに頬が紅く染まると、話すと唇が触れてしまいそうな程近くでコツンと額同士を合わせる。その瞳がとても優しい色をしていた。
リーマスはそのままレンを見つめればくすりと小さく笑い、レンの頬に口付けをすると、ゆっくりと身を離す。
「キミは本当にアクアの子だね。本当によく似ている。学生の頃に戻った様な気分だったよ。」
リーマスはとても嬉しそうな、懐かしそうな表情をし、レンは微笑み、椅子に腰掛けると、リーマスも先程まで座っていた椅子に腰掛けた。
「流石にアクアでも、トロールとは例えなかったけれどね。」
「ごめんなさい。訂正するわ。」
「いやいや、気にしてないよ。」
「そうじゃないの。リーマスがトロールだったら、少しお付き合いの仕方を考えさせてもらうわ。」
今思えばもしリーマスがトロールだったら会話が成り立っていた事自体が凄いもの…とレンがいたって真面目そうに言うので、リーマスは可笑しそうに笑い声を上げた。
「良かったよ、トロールじゃなくて。」
リーマスはそう笑いながら言うものだから、レンも声を上げて笑ってしまった。