「それで、いつか、ヴォルデモートと戦って生き残る事が出来たら…今度はお薬の研究をするわ。飲み易くて手軽に手に入りそうな脱狼薬を開発するの。それでその頃にはきっと差別とかも今よりずっと無くなってる。もしそうじゃなかったら、そうさせる。その為ならクレスメントっていう名の力だって最大限に利用したって良いわ。」
「だから…」と言いその先を言おうとしないレンにリーマスは「だから?」とそのままで尋ねれば、どこか照れくさそうにしながらもリーマスをまっすぐにレンは見つめた。
「だから…長生きしてね。もし私が生き残る事が出来なかったとしても、きっと私の意志を現実にしてくれる人が現れると思うの。…リーマスにはそんな世界を見て欲しい。いつかハリーのご両親のように家庭を持って幸せになって欲しいの。母がそうできなかった分まで。」
「私はね、自分の子を持った事がないから、本当の父親というものが私と同じ気持ちなのかどうかは判らないが、それでも私は父親としてキミを愛しているし、とても愛おしい。愛らしくていつまでも腕の中に閉じ込めておけるくらいにね。…そんなキミが逝ってしまったら、私はまともでいられる自信が無い。けれど…出来る限りはそうすると約束する代わりに、それと同じ事を私もレンも約束してくれるかい?」
リーマスの告白に、レンは頬を赤らめリーマスを見つめれば、リーマスは優しく微笑んでくれている。
「私は出来たらね、死喰い人達と戦う事は辞めて欲しい。平凡に生きて幸せになって欲しいと願っているんだ。けれどキミはアクアの子だ。アクアの目的に突き進む強い意志は確実に受け継がれている…だから止めはしないよ。けど、生き残って幸せになって欲しい」
「でも…全てが終わったら…きっと死喰い人が私の親の事、売ると思うの…そうしたら私…」
レンがそこまで言うと、リーマスは驚き止り「そこまで考えて決断したのかい?」と小さく漏らし、それにレンは悲しそうに微笑み小さく頷いて見せれば、リーマスはレンを強く抱きしめた。
「…もし、そんな日が来そうだったら…さっきのキミの言葉を借りる訳ではないが、最期の最期まで私はレンの味方で居るよ。人狼の私がどこまで役に立つかは判らないが死なせない最善の努力をしよう…だから私を信じて約束してくれるかい?」
「判ったわ…有難う。一緒に一分一秒でも永く生きて、アイツの居ない世界の平和な時を沢山満喫しましょう?」
とレンが言うと、リーマスは小さく頷き、未来に向かって生きる事を誓い合った。
2人とも生き続け、そして今日のこの時のように笑っていられますように…
今はまだ闇の帝王が復活を遂げてないこの世界で、こんな事を願う2人は世間から見ればおかしいのかもしれないが、2人にはこの約束がなんだか、明日への光に思えてならなかった。