その時にはハーマイオニーも棚の前に来ており、クルックシャンクスを抱きかかえしっかりと捕まえていて、それにロンは「見ろよ」とスキャバーズをハーマイオニーにみせた。
「こんなに痩せて骨と皮だけになって…スキャバーズは病気なんだ!」
ロンはクルックシャンクスがロンの言葉を理解し、鞄にスキャバーズがいると判ると飛び掛ったとハーマイオニーに抗議したが、ハーマイオニーはそれを認めようとしない。
ロンは怒ったまま談話室を横切り自分の寝室へと向かうと、レンは慌ててロンの後を追った。
「ロン、少しだけスキャバーズをみせてくれる?」
レンがそう声をかければ、ロンは少し考え溜息と共にレンの手にスキャバーズを乗せ、レンはそれを両手で優しく包みスキャバーズの様子を見る。
「指が一本ないのね」
「うん。ウチに来て13年くらいなんだけど、僕が譲り受けた時にはもうなかったし、パーシーもずっと前から無かったって。」
レンは真直ぐにスキャバーズを見つめ、スキャバーズもレンを見た。
すると体を震わせてレンの指を思いっきり噛み、指からは赤いものがじんわりと滲み、手を伝う。
が、レンは手で優しく包んだままスキャバーズを放したりはしなかった。
「何にそんなに脅えているの?」
スキャバーズはレンをとても怯えた瞳で見つめている様にしか見えなかった。
猫やクルックシャンクスを、ではなく、レンを…だ。
レンはスキャバーズにそう声をかけると、噛む力が少しだけ緩む。
レンはクレスメントの力を少しだけ使い、癒しの力をかけるとロンにスキャバーズを返した。